趣味で書いているレビューをネットに転載
スクランブル/若竹 七海
青春小説として良質。高校生特有の増長や焦りをうまく表現しており、視点を変えることでいろいろな性格を扱ったのも良い。対する教師陣の描写の薄っぺらさは少し気になったが。
ミステリーとしては推理が小出しになっているせいでインパクトに欠ける。解説(佐々木譲)にあるような連作短編集との勘違いは解決の印象が各章のそれより薄いことが原因だろう。
序盤のミスリードが非常にわかりやすいのも残念。
あと『冷たい校舎の時は止まる』でも思ったが、高校生にやたらと煙草を吸わせたがるのはなぜなのか。
C
青春小説として良質。高校生特有の増長や焦りをうまく表現しており、視点を変えることでいろいろな性格を扱ったのも良い。対する教師陣の描写の薄っぺらさは少し気になったが。
ミステリーとしては推理が小出しになっているせいでインパクトに欠ける。解説(佐々木譲)にあるような連作短編集との勘違いは解決の印象が各章のそれより薄いことが原因だろう。
序盤のミスリードが非常にわかりやすいのも残念。
あと『冷たい校舎の時は止まる』でも思ったが、高校生にやたらと煙草を吸わせたがるのはなぜなのか。
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女王様と私/歌野 晶午
これの悪夢再び。
あちらがテーマ性もあり1つの事件に複数の展開という楽しみ方があったのを鑑みると劣化版と言わざるを得ない。
一応ミステリー的な解は示されるものの、それがあまりおもしろくないのも問題。
ありきたりな話を書かかない意気は伝わってくるけど、おもしろくなくてはしかたない。
「おにぃちゃん」のような文が多用されるためリーダビリティも低い。
あと、最後のなぞなぞの答えはダイエーでいいのだろうか。
D
これの悪夢再び。
あちらがテーマ性もあり1つの事件に複数の展開という楽しみ方があったのを鑑みると劣化版と言わざるを得ない。
一応ミステリー的な解は示されるものの、それがあまりおもしろくないのも問題。
ありきたりな話を書かかない意気は伝わってくるけど、おもしろくなくてはしかたない。
「おにぃちゃん」のような文が多用されるためリーダビリティも低い。
あと、最後のなぞなぞの答えはダイエーでいいのだろうか。
予知夢/東野 圭吾
前作から上手に進化させた。トリックに科学を用いるのはそのままにミステリーとしての焦点を別の位置に置くことでエンターテイメントとして成立させている。
ただ、それで楽しむには少々ひねりがたりず、どこかで見たような話とどこかで見たような事件の顛末という感じは否めない。
オリジナリティの部分が読者を求心しないのはやはり痛いか。
不可思議現象もオカルトとして型にはまったものばかり。
C
前作から上手に進化させた。トリックに科学を用いるのはそのままにミステリーとしての焦点を別の位置に置くことでエンターテイメントとして成立させている。
ただ、それで楽しむには少々ひねりがたりず、どこかで見たような話とどこかで見たような事件の顛末という感じは否めない。
オリジナリティの部分が読者を求心しないのはやはり痛いか。
不可思議現象もオカルトとして型にはまったものばかり。
バイバイ、ブラックバード/伊坂 幸太郎
『グッド・バイ』未読。
読者の望んでいるものが書けたとは巻末インタビューの言葉だが、盛り上がらない話をキャラ付けと冗談をまじえた文章でどうにか読めるものにしている辺り、最近の傾向に属する作品だと思う。
『SOSの猿』もそうだったのだが、変な人物が誰かに迷惑をかけているとはっきり書かれるようになり、繭美に少しずつ親身になっていくという本作の足を完全に引っ張っている。多くの読者が彼女よりもラーメン屋や宝石店の店員に感情移入するのではないだろうか。
D
『グッド・バイ』未読。
読者の望んでいるものが書けたとは巻末インタビューの言葉だが、盛り上がらない話をキャラ付けと冗談をまじえた文章でどうにか読めるものにしている辺り、最近の傾向に属する作品だと思う。
『SOSの猿』もそうだったのだが、変な人物が誰かに迷惑をかけているとはっきり書かれるようになり、繭美に少しずつ親身になっていくという本作の足を完全に引っ張っている。多くの読者が彼女よりもラーメン屋や宝石店の店員に感情移入するのではないだろうか。
Story Seller2/沢木 耕太郎/伊坂 幸太郎/有川 浩/近藤 史恵/佐藤 友哉/本田 孝好/米澤 穂信
伊坂さん、近藤さん、佐藤さんについては前作『Story Seller』と同評価(伊坂さんはザッピングではないもののファンの求めるものをしっかりと用意している)。有川さんも途中までは“また自分の気に入らない人間を叩く小説か”と思っていたが、ラストで一気に好転させてくれた。逆に落ちたのが米澤さんで子供らしい姉弟関係はよく書けているのだが、あまりにも退屈な物語が足を引っ張っている。沢木さんはカクテルに関する思い出とうんちくだけでエッセイとしておもしろいとは感じなかった。本多さんは序盤で主人公が怒った時のやりとりといい全体的にチープさが…。
C
伊坂さん、近藤さん、佐藤さんについては前作『Story Seller』と同評価(伊坂さんはザッピングではないもののファンの求めるものをしっかりと用意している)。有川さんも途中までは“また自分の気に入らない人間を叩く小説か”と思っていたが、ラストで一気に好転させてくれた。逆に落ちたのが米澤さんで子供らしい姉弟関係はよく書けているのだが、あまりにも退屈な物語が足を引っ張っている。沢木さんはカクテルに関する思い出とうんちくだけでエッセイとしておもしろいとは感じなかった。本多さんは序盤で主人公が怒った時のやりとりといい全体的にチープさが…。
The unseen 見えない精霊/林 泰広 <新書>
ストーリーのぜい肉を徹底的にそぎ落としているため非常に読みやすく、それでいてテーマが明確なため味気なさは感じない。
ただ、それゆえ伏線が目立ちやすくオチは読みやすい。また『姑獲鳥の夏 』でも感じたことだが禁じ手ギリギリのトリックというのはフェアにする方法、使い方に感心こそすれど不可能犯罪の解としてのサプライズにはなりづらいと思う。
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ストーリーのぜい肉を徹底的にそぎ落としているため非常に読みやすく、それでいてテーマが明確なため味気なさは感じない。
ただ、それゆえ伏線が目立ちやすくオチは読みやすい。また『姑獲鳥の夏 』でも感じたことだが禁じ手ギリギリのトリックというのはフェアにする方法、使い方に感心こそすれど不可能犯罪の解としてのサプライズにはなりづらいと思う。
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稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。
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