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しあわせの書―迷探偵ヨギガンジーの心霊術 (新潮文庫)しあわせの書  迷探偵ヨギ ガンジーの心霊術/泡坂 妻夫

 

C

ヨギ ガンジーの妖術』に次ぐ、ヨギ ガンジーシリーズ第2弾。1作目を飛ばしても支障はないと思われる。

 こんなことできるんだなぁ、と仕掛けについては素直に感心した。発想よりもこれを実行できる技術がすごい。

 ただ、小説としておもしろいかは微妙。

 ストーリーはあいかわらず“退屈ではない”程度だし、トリックも引っかかりはするがパッとしない。ガンジーもいくぶんかまともになっている(その方が読みやすく、また変人キャラもさほど魅力的とは言えず)。

前述した仕掛けもばらされて驚く類のものではなく、物語におもしろ味を加えるものではない。

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宇宙の戦士 (ハヤカワ文庫 SF (230))宇宙の戦士/ロバート・A・ハインライン(矢野  徹)

 

C

 

 主人公が目標を持ち、師に出会い、成長していき…。青春小説+SF。

人の動きにあわせてくれる強化防護服のアイディアはおもしろいが、見た目がやや描写不足か。地球連邦軍についてはかなり詳しく説明されているだけに残念。

あと、“素晴らしきかな軍隊”的な部分があるので嫌いな人は嫌いだろう。

ちなみに、『スターシップ・トゥルーパーズ』として映画化されたが、改変の凄まじさに原作ファンからは嫌われている模様。作品の出来どうこうではなく、改変で不評というのも珍しいパターンのような…。

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ヨギ ガンジーの妖術ヨギ ガンジーの妖術/泡坂 妻夫 <単行本>

 

D

 

ガンジーの個性は強烈だが…それだけかな。

あまりうまくない文章、退屈とまでは言わないがおもしろくはないストーリー、さほど感心したり驚いたりしないトリック。

酷評するほど悪くはないが、褒める所が思いつかない本。

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葉桜の季節に君を想うということ (文春文庫)葉桜の季節に君を想うということ/歌野 晶午

 

B

 

読みやすい文章、魅力的な登場人物、退屈しない展開、オチを知っていた私ですら引っかかったミスリード、センスの良いタイトル、テーマとマッチしたオチ、清々しいラスト。

考え付く要素のほとんどすべてが水準以上で、目立った欠点もない。しいて言えば、軽犯罪を平気でする主人公やラストの「補遺」等は気に入らない人がいるかもしれない。

傑作。

ちなみに、2004年版「このミステリーがすごい」で1位を獲得している。 

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模倣の殺意 (創元推理文庫)模倣の殺意/中町 信

 

D

 

時代と共に色あせてしまった名作と言った所だろうか。微妙だ…。

ひたすら調査の退屈なストーリー、上手な方ではない文章、そして発想は悪くないが読みやすいオチ。編集長の持論は露骨すぎだろう。

また、プロローグを改訂したらしいが元の方が良かったのでは? 終盤でそれがわかった時、“そりゃないぜ”と思ってしまった。おまけに解説(濱中さん)には誤字がある(P138~139→P48~49・P59→P52)。

所でこの本、昔は主人公の手記という形式だったらしいが、鮎川さんの言うクリスティの名作って『これ』かな?

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リドル・ロマンス―迷宮浪漫 (集英社文庫)リドル・ロマンス 迷宮浪漫/西澤 保彦

 

C

 

 『都市伝説セピア』に近い印象。『我らが隣人の殺人』と違ってこちらはオチ重視。

特に衝撃的だった『イマジナリィ・ブライド』と『アモルフォス・ドーター』がお気に入り。前者はオチ、後者は推理が良かった。

が、長々と書かれる作者の持論とワンパターンな始まり方にはややうんざり。

そして、たまらなく不愉快だったのは『イマジナリィ・ブライド』の子供を利用しようという発想。『仔羊たちの聖夜』で親のエゴを批判しておいてこれはないだろう。計画止まりだったにせよ、この考えを否定する記述が欲しかった。

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チルドレン (講談社文庫)チルドレン/伊坂 幸太郎

 

C

 

 『チルドレンⅡ』がベストかな。読み終えた後の爽快感が飛び抜けていた。

『レトリーバー』の意外なラストも○。

ただ、独特の雰囲気やセリフ回し、伏線等が他の作品より少し物足りない感じがするのは否めない。短編集ゆえかもしれないが、やはりそこはがんばって欲しかった。

ちなみにテレビドラマ化されている。

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我らが隣人の犯罪 (文春文庫)我らが隣人の犯罪/宮部 みゆき

 

C

 

 我らが隣人の犯罪…ほのぼのとした雰囲気と痛快なストーリー。オチも良かった。

この子誰の子…良くも悪くもなく。

サボテンの花…謎で読者を引き込み、終盤の展開で魅せる。サボテンの使い方が専門的で、ややアンフェアな気はするが。

祝・殺人…微妙。推理ばかりで話が薄い。議論の場面も『麦酒の家の冒険』と比べると余計な部分があって読みづらい。

気分は自殺志願…自殺しようとする理由が個性的。他はまぁまぁ。

推理モノの要素もあるが、それよりも物語を楽しむ本。『都市伝説セピア』を明るくした感じか。

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ラッシュライフ (新潮文庫)ラッシュライフ/伊坂 幸太郎 <再読:文庫→単行本>

 

S

 

 黒澤が“LushLife”、河原崎が“RushLife”、京子が“LashLife”、豊田が“RushLife”(こいつは変わるが)、という解釈で良いのかな?

この作品のテーマであろう「一生のうち一日だけが自分の担当で、その日は自分が主役になる」という考え方が気に入った。自分の単調で退屈な毎日もどこかで起きている大きなできごとと関わりがあるかもしれない、地味な自分にもいつか主役の日が来るかもしれない、と考えると日々が楽しく思え希望が持てる。実際は平凡な毎日も十分エンジョイしてますけどね。

また、単純にエンタメとして見ても、作者の得意技であるテンポの良い文体と、不思議なストーリーが存分に発揮されておりおもしろい。

ラスト、伏線が次々と回収され、5つのちょっとした話が1つの大きな物語へと組み上がっていく様は圧巻。そのカタルシスに清々しいストーリーも合わさって、読了時の爽快感は素晴らしいものとなっている。

ちなみに今度映画化されるらしいのだが…これが映像という媒体で成立すると思えないのは私だけではないだろう。大好きな小説だけになんとも不安である。

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どこまでも殺されて (新潮文庫)どこまでも殺されて/連城 三紀彦

B

 

「どこまでも殺されていく僕がいる。いつまでも殺されていく僕がいる……」書き出しが巧い。

事前にネタバレをくらっていたので驚けなかったものの、オチもおもしろいと思った。

ただ、全体的に長ったらしく、あまり物語に引き込まれなかった。特に手記の部分はその意味不明さもあってか、やや退屈。

文章は上手で話そのものも良いけれど、引きが弱いのは『戻り川心中』に近いか。

ランクCかで迷ったが、オチを知らなかったときの衝撃を考えてこの評価。

ところでP233「縛りあげて火を~」とあるが、縛る描写なんてあったか?

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黒いトランク (創元推理文庫)黒いトランク/鮎川 哲也

 

C

 

ペトロフ事件』に次ぐ鬼貫シリーズ第二弾…と思って読んだのだが、改めて調べなおしてみるとそうとも言えない様子。やたらとペンネームを変えて作品を発表したせいで情報が錯綜しているようだ。勘弁してよ…。

とりあえず、本書単体で読んでも、上記の作品と合わせて読んでも問題はない。

 舞台が日本になって前作(?)より格段に読みやすくなっている。また、自然と眼に入る位置に注釈を置く等の配慮をしてくれた創元社にも感謝。

内容は“これぞミステリー”と言ったところで、次々と出てくる新事実・仮説を使って小説全体で謎を解いていく。

それが退屈でないのは、無駄な要素がかなり削られているのと少しずつではあるが着実に解決に向かっているのがわかるからだろう。

ただ、真相自体はスッキリとした部類に入るのだが、小出しにされる推理が話をややこしくしている感あり。せめて最後で図でも用いてくれれば違ったかもしれない。

ちょっと人を選ぶ作品か。

ちなみに、出版されるたびにかなり手が入れられた作品のようで、本によってかなり内容が異なるご様子。私のレビューはあくまでも創元社文庫版のものとして読んでいただきたい。

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ペトロフ事件 鬼貫警部事件簿―鮎川哲也コレクション (光文社文庫)ペトロフ事件/鮎川 哲也

 

D

 

地名が読みづらいうえに時刻表物ときて、かなり取っ付きにくい。

トリック自体はシンプルで時刻表物が始めての私でもだいたい見当をつける事ができた(挿入された時刻表の見方がわからず苦労したが)。しかし、逆に言えばそれは意外性がないという事。

ストーリーも退屈極まりない。また、ラストのアレもない方が良かったと思う。どんでん返しというより台無しにしただけ。

後、評価には入れなかったが、解説(山前 譲)が微塵もおもしろくない。

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i(アイ)―鏡に消えた殺人者 (光文社文庫)i(アイ) 鏡に消えた殺人者/今邑 彩

 

C

 

鏡に消えた犯人という謎はなかなか魅力的。わかりやすく、すっきりとした解答も○。

ただ、全体的に見るとやや弱いか。

トリックは別に斬新でもなく、ラストの展開もさほど驚かなかった。

悪くはないが、”ここが良い”という点のない平凡な作品。

所で、なぜ倉田は貴島の家を訪ねたのだろうか? まさか仲良くなりたかったとも思えない。

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実況中死―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)実況中死/西澤 保彦

 

D

 

 『幻惑密室』に次ぐ神麻シリーズ第二弾。

読みやすいが、おもしろいわけではない過程。超能力の設定をうまく使っているけど、やや強引な真相(意外といえば意外だが、さほど驚かなかった)。

全体的に可もなく不可もなくといった印象。

ただ、3人の関係が結構変わっているのには面食らった。なんで時系列順で出さないかね…。

後かなりどうでもいい話だが、笹本さんの事を女だと思って読んでいたのは私だけだろうか。

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イニシエーション・ラブ (文春文庫)イニシエーション・ラブ/乾 くるみ

 

B

 

 恋愛の恐ろしい部分をまざまざと感じさせてくれる一冊。あんなに純情だった人がねぇ…。

少しわかりにくい話で、読んでから数分間考え込むはめになってしまったが、おもしろかった。

妙に生々しいエロシーンや、チープな展開(私は恋愛小説をまったくと言って良いほど読まないためさほど気にならなかったが)など好みが分かれそうな内容ではあるが、私としてはぜひ推したい作品。

なお、『ゴンゾの園』というブログでかなり踏み込んだ読み解きが行われているので、興味のある人は一読する事をお薦めする。

本当はこういう事を文庫の解説で書くべきだと思うんだけどね…いや、あれはあれで悪くないけど。ただ、私個人としては最後の一文ぐらいしか感銘を受ける部分がなかった。

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異邦人―fusion (集英社文庫)異邦人 fusion/西澤 保彦

 

D

 

 いい話だけど推理物として見ると…。

タイムスリップで死人を助けようとするありきたりなストーリー。ややこしい時間移動の説明。『ナイフが町に降ってくる』よりもしょぼいんじゃないかと感じる真相。読んでいてつまらなくはないが、読了後の満足度は低い。

同性愛についても言いたい事だけ言って終わったって感じ。好ましく思っていない側の意見も出すべきじゃないだろうか。社会的な問題を取り上げるなら、色々な視点のから書いた方が良いと思う。

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幽霊人命救助隊 (文春文庫)幽霊人命救助隊/高野 和明

 

B

 

 緊張感と爽快感のある救助シーン。意外性のある展開。自殺したくなったらどうすれば良いのか。今作もおもしろくて勉強になる。

重い所はマジメにやりつつ合間で笑いを誘っており、雰囲気も暗くない。

ただ、終盤がやや適当に感じた。具体的な救い方が出てこない人もいるし、本の出版が一週間以内なんてありえるのか?

…と、執筆時点ではこう思っていたのだが、“自殺者へのフォローがそんな通り一遍で良いのか”というレビューを見てなるほどと唸ってしまった。言われてみればその通りだわな。

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ファンタズム (講談社文庫)ファンタズム/西澤 保彦

 

E

 

 一言で書けば『これ』の劣化版。

どっちにもとれるのではなく、どっちつかず。謎は投げっぱなしで論理的な解釈は出されないし、ホラーとして読んでもさほど怖くない。

読んでいて苦痛にならないだけマシだが、おもしろかったとは到底言えないでき。

謎解きがないと事前に知っていたが、知らずに読んだ際の落胆は想像したくもない。

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Story Seller (新潮文庫)Story Seller/新潮社ストーリーセラー編集部

 

C

 

 伊坂 幸太郎・近藤 史恵・有川 浩・佐藤 友哉・本田 孝好・道尾 秀介・米澤 穂信によるアンソロジー。

伊坂(『首折り男の周辺』)のザッピング・米澤(『玉野五十鈴の誉れ』)のキャラクターと十八番で書きあげた二人については言う事なし。

『光の箱』『プロトンの中の孤独』も奇麗にまとめられていて良し。

『ここじゃない場所』は今後書く作品の外伝か?モヤモヤしたものが残り一歩劣る。

『ストーリー・セラー』、序盤の文章が汚いのは”作品を読む事で国語力が上がる彼”という演出と取れるが、それ以前に話がつまらない。トラブルを二人ではなく彼女一人で片付けてばかりで、恋人同士好きあっているのがあまり伝わってこなかった。

『333のテッペン』はゴテゴテと飾り立てられた文章で非常にテンポが悪い。伊坂を下手にするとこんな感じになるのだろうか、盛り上げる所とサッと流す所をわけるべき。

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鏡の中は日曜日 (講談社文庫) 鏡の中は日曜日/殊能 将之

 

C

 

黒い仏』に次ぐ石動戯作シリーズ第三弾。 

著者の博学ぶりが謎解きに絡んだのは長所ととるべきか。なるほどとは思うものの、読者が回答を出すのがほぼ不可能になっているのは…。メインの部分ではないから多めに見られるが。

 どんでん返しに関しては不満が残る。反則ぎりぎりで、作中にある通り「フェアプレイもへったくれもない」し、そんな手を使わなければいけない程のオチとも思えない。

『樒/榁』は、孤独を愛するのにちやほやされる水城と、人気者になりたいのに邪険に扱われる石動の対比に笑った。ちなみに『鏡の中は日曜日』のネタバレが含まれているので注意したい。

しかし、帯の文句「石動戯作を殺したことを少しも後悔していない」「名探偵、最後の事件!」とはずいぶん巧く言ったものである。

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