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黄金色の祈り 文春文庫黄金色の祈り/西澤 保彦

C

 

 

 推理はおまけ程度で、満たされる事のない主人公の生き様がメイン。

こう悪い、と理屈をこねて糾弾する同著者他作と違い、欠点にのっとった行動が描かれている。

そうして、あっさりとした表現になっているのは主人公の独善性の表れだろうか。主人公の欠点は、他人から指摘されるか、現在から過去を振り返るという出方が多い気がする。

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ダブルクロス・リプレイ・オリジン―未来の絆 (富士見ドラゴンブック)未来への絆/矢野 俊策

C

 

 

 『ダブルクロス』リプレイ・オリジンシリーズ第四弾であり、最終巻。

シリーズ集大成と呼ぶのにふさわしい作品。

これまでのシリーズ策からキャラクターや物語の要素が多数登場しており、ストーリーを濃密にしている。ギミックも一見完璧で崩すのが不可能な良く練られたもの。

続編の予定がない状態から始めて、ここまで綺麗にまとめるのはすごい。

難点はシリーズ作の内容をある程度把握していないと理解できない事。私がそれぞれ間を空けて読んだというのもあるだろうが、思い出すために考え込んだ場面が所々あった。

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九マイルは遠すぎる (ハヤカワ・ミステリ文庫 19-2)九マイルは遠すぎる/ハリイ・ケメルマン(永井 淳/深町 真理子)

C

 

 安楽椅子物の代表作だが、言う程理詰めの作品かな…。

表題作にしても、くだんの一文から論理を展開していく部分はおもしろいのだが、最後の一手である殺人事件へが飛びすぎだと思う。

 また後の話にいけばいく程、論理は飛躍的に蛇足は多くなっていく。

とは言え“理詰め”にこだわらなければミステリーとして楽しめる一冊ではあると思う。

あと、ハヤカワ文庫のあらすじ「ウェルト教授がふと耳にしたのは」ってそれを聞いたのは“私”だろう。

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花あらし (新潮文庫)花あらし/阿刀田 高

C

 

 

 『迷路』がダントツトップ。途中が少し退屈なのを差し引いても、あのオチは素晴らしい。

『第二の性』『明日の新聞』『選抜テスト』も、まぁ悪くない。

逆に『白い蟹』『杳として』『大心力』はイマイチだった。というか、『大心力』はなにがしたかったんだ? ストーリーもオチも冴えない。

『予言の研究』はこれに同じネタがあったが、あちらの方がうまかったと思う。過程をしっかり書いていない。

モヤモヤしたものが残ったのは『花あらし』なぜラストであんな事が起きたのか、不思議な話というよりよくわからない話になってしまった。

『すきま風』は西澤保彦にありそうな話。この人はあっさりした形に仕上げたが、やはりドロドロしたものを感じさせる。

ちなみに『迷路』はコピペとして2chに出回っている。“つづき”に書いたが、当然ながらネタバレなのでご注意を。

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ABC殺人事件 (クリスティー文庫) ABC殺人事件/アガサ・クリスティー(堀内 静子)

C

 

 

 トリックは、今となっては良くあるタイプのものだが、見せ方がうまいため古臭さやありがち感はない(若干無理がある気はするが)。

 また、謎が魅力的なのも特筆すべきだろう。とにかく犯人の目的が読めなかった。

 少し地味に感じるが良くできた作品。

ただ、『オリエント急行の殺人』や『アクロイド殺し』に並ぶ程の作品かは迷う所。

欠点は翻訳本には良くある事だが、文章が読みにくい所。

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殺意の集う夜 (講談社文庫)殺意の集う夜/西澤 保彦

C

 

 

 意外なオチで伏線もたくさん、でも真相がありえない。『黒猫館の殺人』に近いものを感じた。

推理の部分はしっかりしている。

オチはたしかに予想だにしないもので、伏線も少なくない。だが…もうここまでやると意外性があると言うより、突拍子もないと言った方がいいかもしれない。

事前にネタを知っていたのでなんともいえないが、下手をすれば意味がわからない人もいるのではないか。

あと、最後までルビがないのはちょっと…アンフェアとまでは言わないが、セコイように感じた。

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ガラス張りの誘拐 (講談社文庫) ガラス張りの誘拐/歌野 晶午

D

 

 これはない。

身代金をどうやって奪うかが最大の謎だったのに、期待はずれもいいとこ。

スラスラと読める文章で、結末へのお膳立てには成功しているだけに残念。

 もう一つの謎である犯人の目的についてはちゃんとした解答が用意されているものの、前述した肩透かしをフォローできるレベルのものではない。

1冊を通してのネタは水準には達しているが、1話1話固有のネタは微妙。

 あと、あらすじ「連続婦女暴行魔の仕業か!?」って絶対ありえないだろ。

なお、現在は角川文庫にて販売されている。

ガラス張りの誘拐 (角川文庫)

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マザー・ハッカーマザー・ハッカー 1999年のゲーム・キッズ2/渡辺 浩弐

C

 

 前作(『1999年のゲーム・キッズ』に比べて個々の話が安定してきている。

 今回は読者を小説の世界に引き込む話が多く感じた(メタフィクション?)。

 お気に入りは、妙にアナログを感じさせる最後の一言が味な『絵のなかの僕』と、ミステリーばりのトリックを綺麗に決めてくれた『マザー・ハッカー』。

しかし、一部ではあるが「あとがきにかえて」の読者の声が痛すぎる。若気の至りというやつか…。

あと、プリクラを顔の皮膚に見立てたカバー絵が気持ち悪い。

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殺人交叉点 (創元推理文庫) 殺人交叉点/フレッド・カサック(平岡 敦)

C

 

 

『殺人交叉点』と『連鎖反応』の2編を収録。 

前者はギリギリの綱渡りをみごと完遂して見せてくれた。伏線でバンバン畳みかけるのではなく、読み返してその絶妙な書き口を楽しむタイプの作品。それゆえカタルシスはやや弱いか。

 あと、誰もが指摘する事だろうが、会話部分の不自然さはやはり気になる。

後者はあっけないオチにやや拍子抜け。ミステリーとしては微妙だが、楽しめない作品ではない。ラストの一文が良い味を出している。

ちなみにこの本、旧訳版では誤訳により、途中でネタが割れてしまうそうなのでご注意を。

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ダブルクロス・リプレイ・オリジン―破滅の剣 (富士見ドラゴンブック)破滅の剣/矢野 俊策

C

 

 

残酷な人形』に次ぐ、 TRPG『ダブルクロス』リプレイ・オリジンシリーズ第3巻。

これはおもしろい。対立する立場にいるプレイヤー同士、という構図はこれでしか見られないのではないか。

特に遠藤さんのキャラクターは悪役っぷりが素晴らしく、6話戦闘直後のあれは拍手物。

また、自律判定失敗を初めて見たのもなかなか参考になった。

ランクについては少し悩んだが…Bまではいかないなぁ。

あと、アマゾンの画像がおかしいのはなぜ? 表紙イラストだけどタイトルとか入ってない。

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夢幻巡礼 (講談社文庫)夢幻巡礼/西澤 保彦

C

 

 

 『念力密室!』に次ぐ、神麻シリーズ第四弾。

いつもと違うダークテイストな作品だが、これまでのシリーズを気に入っていない私としてはこちらの方が楽しめる。

息苦しくなるような主人公の独白と、彼を取り囲むどこかしら異常な人間達が作品全編に鬱々とした雰囲気を作り出している。

人間関係が少しややこしいが真相自体は至ってシンプル。

ただ、最初の電話の真相といい解決になってやっとわかる超能力の内容といい、少々アンフェアに感じる部分がないでもない。

次回から元の作風に戻るようだが、番外編がシリーズで一番おもしろいという皮肉な状態にならないのを祈るのみ。

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ダブルクロス・リプレイ・オリジン 残酷な人形 (ドラゴンブック)残酷な人形/矢野 俊策

C

 

 

 『偽りの仮面』に次ぐ、ダブルクロス・リプレイ・オリジンシリーズ第二弾。

田中天がいなくなったと思ったら、田中信二が『闇に降る雪』からは想像もつかないはしゃぎよう。天に負けず劣らずの暴走っぷりを発揮してくれた。

ストーリー面は前作と同程度。個人的には大宙ヒカルがメインメンバーから外されてしまったのが残念。今まで読んだリプレイの中でも一番のお気に入りキャラだったのだが…。

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穴  HOLES穴/ルイス・サッカー(幸田 敦子)

C

 

 

 妙な登場人物といい、不思議な話が繋がっていくのといい伊坂幸太郎に近いものを感じた。

ラストの香水の名前、クライドと同じ病気だったトラウト。本当に良く練られた話だと思う。

平易で読みやすいが、単純ではない文章も〇。「肩を片っぽ上げて、下げた。」が、何度か出てくるわりに少し語感が良くないのは気になったが。

ところで、解説で書かれているどんでん返しだが…これはどんでん返しと呼ぶのか? 見事な展開ではあると思うが…それとも私がミステリーに慣れすぎたか。

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黒の貴婦人 (幻冬舎文庫)黒の貴婦人/西澤 保彦

D

 

 

謎亭論処』に次ぐタックシリーズ。

『招かれざる死者』…雰囲気等、この本の中で一番タックシリーズらしい話がこれだと思う。

『黒の貴婦人』…真相が微妙すぎる。謎として出した以上、キッチリ処理すべき。

『スプリット・イメージ』…長さ相応のおもしろさは持っていると思う。

『ジャケットの地図』…おもしろそうな謎だと思ったら見事肩透かし。何これ? 感動させたかったの?

『夜空の向こう側』…良くも悪くもサクッと読める。

5話中、お気に入りなし。前作の方が良かった。あちらが玉石混合だったのに対して、こちらは目立っておもしろい作品がない。

あと、ちょっとタカチをカリスマ化させすぎじゃないか? どの話でもタカチに関してべた褒めばかり。

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悪意 (講談社文庫)悪意/東野 圭吾

 

C

 

 これと同じ発想から書かれているが内容は大きく違い、犯人探しではなく動機探しという珍しい作品。

あっさりした文体で書かれた悪意だが、他の作品とは違う理解不能なドロドロとしたものを感じさせる。

ただ、この人話自体はうまいけど見せ方が下手な気がする。淡々と進みすぎるせいか、読み終えても満足感が薄い。

 『秘密』でも書いたけどなぜか感情移入しにくいんだよな…。

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乱れからくり乱れからくり/泡坂 妻夫

 

C

 

 

 これまで読んだ著者の作品はどれも人物造形が酷く、『迷蝶の島』以外は物語が茶番にしか見えなかった。

が、今回は推理小説としての及第点には達していると思う。少なくとも、読んでいて違和感はなかった。

荒唐無稽とも言えそうな隕石衝突も、読み終えればフェアプレーのための布石である事がわかる。

犯人はややわかりやすいが、トリックはなかなか。睡眠薬と電池は少々無理を感じるものの、伏線もしっかりしている。

ただ、からくりのウンチクは興味のない人には苦痛を与える長さ。

あと、400ページの文庫が800円ってどうすればそんな値段になるんだ?

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ダブルクロス・リプレイ・オリジン 偽りの仮面 (ドラゴンブック)偽りの仮面/矢野 俊策

 

C

 

 TPRG『ダブルクロス』リプレイオリジンシリーズ第一弾。

さすが『トーキョーN◎VA』のデザイナー、鈴吹さんのキャラクターが実におもしろい。

田中天がおちゃらけを抑えて、かっこいいのにも驚いた。マスターの意図を汲んだのだろうか。

ストーリー自体はなかなかと言った所。続きを読みたいメンバーではある。

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シゴフミ〈2〉Stories of Last Letter (電撃文庫)シゴフミ2 ~Stories of Last Letter~/雨宮 諒/湯澤 友楼/ポコ

 

C

 リンクする話がないため前作『シゴフミ』程の高揚感はないが、全体的に良作揃い。

 若すぎた英雄の話『英雄になる瞬間』は、明らかに舞が進を増長させている面がありやや気分が悪い。何らかのフォローが欲しかった所。それとも“無責任に盛り上げる人々”すらもヒーローを取り巻く環境の一部なのか。

生者と死者の想いがぶつかり合う3話目『キューピッド』は、これぞシゴフミと言った感じ。

あと、文伽の髪留め(5枚目のカラーイラスト)がダサいと思うのは私だけか…?

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完全無欠の名探偵 (講談社文庫)完全無欠の名探偵/西澤 保彦

 

C

 

 短い謎解きがいくつも入っている『依存』のような作品。こちらの方がおもしろいが。

様々な話が1つの事件へと繋がっていく試みは『解体諸因』でも行われていたが、こちらは成功していると思う。一気に繋げるのではなく、順々にしてわかりやすくなっているのが要因か。話がややこしめになってはいるが、登場人物の多さをちゃんと活かしている。

難点はやはり「fragment」パート。もう少しスッキリさせられなかったものか。グダグダ書きすぎ。

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ダブルクロス・リプレイ―聖夜に鳴る鐘 Dynast (富士見文庫―富士見ドラゴンブック)聖夜に鳴る鐘 Dynast/菊池 たけし

 

D

 

闇に降る雪』の続編にあたる『ダブルクロス』リプレイ。

もともと予定になかったものを急ぎで作ったせいか、1巻に比べて劣化している。

ロイスを使った仕掛けは良かったが、全体的に話の作りが雑に感じた。田中天の暴走ぶりはおもしろいが、やはり時間がないせいか押さえ気味。

新ルールのDロイスもわざわざ採用をアピールした割には“どこで使ったんだ?”と言いたくなる程の扱い。

つまらなくはないのだが…。ただ、ラストのコラムは他でも取り入れて欲しい程のおもしろさ。

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