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シゴフミ―Stories of Last Letter (電撃文庫)シゴフミ ~Stories of Last Letter~/雨宮 諒/ポコ

 

C

 

 死者との対話ではなく手紙を選んだセンスは〇。

読後感は『死神の精度』の『死神と藤田』に近かった。

ただ、本作はどちらが勝つのかわからないところがミソ。P259で文伽の言う「愚問ね」は“どちらが勝とうともこの試合が両者にとって楽しく素晴らしいものである事に変わりはない。ここでの本質は勝敗ではない”と読み取ったが…どうだろうか?

あと、絵が妙に頭でっかちなような…。

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死神の精度 (文春文庫)死神の精度/伊坂 幸太郎

 

C

 

 『死神の精度』…やや伏線を目立たせすぎた感はあるが、おもしろかった。

『死神と藤田』…作者お得意の、これから起こるであろう事にワクワクさせられるラスト。

『吹雪に死神』…この人には珍しく、オーソドックスなシチュエーション。

『恋愛で死神』…どんどん幸せになっていく荻原が切ない。

『旅路を死神』…人参を食べる死神に吹き出しそうになった。他に比べて、ちょっと無駄が多いか。

『死神対老女』…ちょっと孫の話が唐突過ぎる気がした。

いかにも切ない話を作れそうな設定だが、清々しい話が多いのが伊坂さんらしい。

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探偵映画 (講談社文庫)探偵映画/我孫子 武丸

 

C

 映画である事をしっかりと活かしたオリジナリティーは評価。

キャストの問題など制作部分での事情が考慮される推理、“映画の一場面”として部分的に見せるという手法だからこそ栄えたであろうネタ、監督の失踪。

8の殺人』や『0の殺人』で毎度の如く問題にしているネタバレも、おそらく(私は未見の映画ばかり)今回は許容範囲。

 ただ、推理物としてやや弱いのが難点か。なるほど、と膝を叩きたくなるようなオチだけど驚愕まではいかなかった。

余談だが、P30の「死霊に盆踊りでも~」という『死霊の盆踊り』をパロった比喩には失笑させられた。噂には聞いていたが、そんなに酷い映画なのだろうか。

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「クロック城」殺人事件 (講談社文庫 き 53-1)『クロック城』殺人事件/北山 猛邦

 

D

 

 P69「~百八個くらい」とある事から『時計館の殺人』を意識していたと思われるが、内容は遠く及ばなかった。

 謎の回答は意外だし、トリックも独創性があって良いと思う。だが、小出しにしているため驚きは弱い。

ストーリーの方も風呂敷を広げて、そのまま放りっぱなし。世界の終わりはどうなるの? 真夜中の鍵は誰? 余韻を持たせたと言うより、結末付けを放棄したように感じる。

あと、男でミキって名前は良くあるのか? 「彼」と代名詞が出るまでずっと男か女か迷っていたのだが…。

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11枚のとらんぷ (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)11枚のとらんぷ/泡坂 妻夫

 

D

 

 この人、トリックは悪くないけど小説が下手なんだよね。

人物といい内容といい物語に魅力がない。そういった要素の分量が少な目な短編の方が良いと思う。

この本も本編より作中作の方がおもしろかった。

次々と出てくるトリックはほんのわずかな心理の穴を突いたものばかりで、気づけそうでわからないその微妙な加減が味になっている。とは言え、普通のトリックとのカタルシスの差は比べるまでもないが、

あと、言葉の所々に違和感を覚えるのは時代のせいか?おばさんが「~公務執行妨害だ。うぬ、放さないか(P90)」なんて言っている所、想像がつかないのだが…。

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パズラー―謎と論理のエンタテインメント (集英社文庫)パズラー 謎と論理のエンタテインメント/西澤 保彦

 

C

 

 『蓮華の花』…ストーリーを重視したのはわかるが、推理小説である以上謎は残さないで欲しい。

『卵が割れた後で』…お気に入り。二転三転する展開が○。

『時計じかけの小鳥』…爽やかに後味悪い。解説で「機械じかけの~」とミスられている。

『贋作「退職刑事」』…元ネタを知らなくても楽しめる。知っていればさらに楽しめたかな?

『チープ・トリック』…同情はしないが、ラストがえげつないなぁ。

『アリバイ・ジ・アンビバレンス』…キャラクターが良い。このコンビでシリーズ化もいけるのでは。

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螢 (幻冬舎文庫)螢/麻耶 雄嵩

 

C

 

 すごいけど、そんなにおもしろくはないかな。

一つ目のオチは文章の不自然さもあって簡単に読める(「千鶴」の章にはやられたが)ものの、二つ目は見事にやってくれた。

トリック自体はありがちかもしれないが、使い方が非常にうまい。この発想はなかった。トリックの新しい可能性を示すものではないだろうか。

 ただ、私が軽くネタバレをくらっていたのを差し引いても衝撃はあまり強くない。伏線もしっかりしていて、十分予想外だけど、それで話がどう変わるかと言えば犯人当てにちょこっと使われるだけ。

あと、最後の生存者は人それぞれ、ネットでも諸説ある模様。私としては『黄金の羊毛亭』さんの説がしっくりきました。右上の「ネタバレ感想」という所をクリックすれば読めます。

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瞬間移動死体 (講談社文庫)瞬間移動死体/西澤 保彦

 

D

 

あいかわらず超能力の設定はうまい。

ふざけたような文章はおもしろくて読みやすく、途中の展開も退屈しない。

ただ、真相が今一つ意外性に欠ける。

伏線もちょっとわかりやすくないか? 特にヴェラが12日の夜にマットに会ったという証言。明らかにおかしいのにそのままにして進められている(あまりにあっさり進むので私が間違えているのかと思った) のはわかりやすすぎる。

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本陣殺人事件 (角川文庫―金田一耕助ファイル)本陣殺人事件/横溝 正史

 

C

 

金田一耕助シリーズの一部らしいが、これだけ読んでも特に問題はなかった。

 『本陣殺人事件』…長いよ。「ソア橋事件」のネタバレもマイナス要素。『8の殺人』といいネタバレ好きに愛好されてるのか?

『車井戸はなぜ軋る』…この真相は読めなかった。一番好きな話か。

『黒猫亭事件』…ミスリードがうまい。顔のない屍体かと思ったら…。最初のやりとりにやられた。

トリック等より事件全体のストーリーを楽しむ作品か。

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フェイク (角川文庫)フェイク/楡 周平

 

D

 

 基本、帯買いはしないのだが…珍しくやってみたら案の定やられた。

「白熱する頭脳ゲーム 最後に笑うのは誰だ!?」とは帯の言だが、騙し騙されの頭脳戦などまったくない。ただ、一方的にはめるだけ。

手口も読者にほとんど公開しているうえ詐欺の途中で危機に陥る事もなく、意表を突かれる展開やハラハラして先が気になるという事もない。だいたい、詐欺に入るまでが長すぎる。

また、帯の言葉に期待せずともイマイチだったと思われる。

13階段』『天使のナイフ』のように勉強になると感じるほど銀座の裏側は描かれていないし、主人公のサクセスストーリーとしてもおもしろくない。

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愚か者死すべし (ハヤカワ文庫 JA ハ 4-7)愚か者死すべし/原 りょう

 

D

さらば長き眠り』に次ぐ、探偵沢崎シリーズ第四弾兼新探偵沢崎シリーズ第一弾。

原さん年食って丸くなっちゃったのか?

行動や情景を淡々と重ねつつその端々に心情を浮かばせ沢崎をハードなヒーローに仕立て上げていた従来の作品に対し、今作では心理描写が多用され凡百の主人公と変わらなくなってしまった。

ニヒルな文章にもどこかキレが出ず、読んでいるだけで楽しいという本シリーズ最大の魅力を減じさせている。

それらの要素を第二部への変異と見るべきなのか、ただの失敗と見るべきなのかは判断しかねる。

後記で「短時間で書くことができたことは、本作につづく新シリーズの第二作、第三作の早期の刊行をもって証明するつもりです。」と言っておきつつ5年経った今も次巻が出る様子はない。

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さらば長き眠りさらば長き眠り/原 りょう <単行本>

 

C

 

天使たちの探偵』に次ぐ、探偵沢崎シリーズ第四弾。

皮肉の利いた文体と沢崎の切り返しの妙はあいかわらず癖になるおもしろさ。

歪んだ欲望の交差が紐解かれる終盤もなかなか衝撃的だった。

ただ、推理物ではなくあくまでも探偵沢崎の活躍を味わう物語。

伏線は張られているが、読み手が推理できる作りではないと思われる。

残念だったのは前長編『私が殺した少女』に比べて、内容が複雑化した事と刑事連中のような憎まれ口を叩く相手に恵まれなかった事。

さらば長き眠り (ハヤカワ文庫JA)

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なつこ、孤島に囚われ。 (祥伝社文庫)なつこ、孤島に囚われ。/西澤 保彦

 

実況中死』のように推理作家をゲスト登場(といってもあれは名前だけだったが)させるのはわかるが、なぜに森奈津子さん? 森作品を読む西澤ファン、あるいはその逆がどれ程いるだろう。

これまでのレビューで最低ランクだった『8の殺人』や『黒い仏』『ソウ』ですら読者を楽しませよう・騙してやろうという意気込みは感じたし、『ファンタズム』にも一応サプライズがあった。しかし、この本は自己満足の内輪ネタにしか見えない(両者仲が良いという噂もある)。

15周年記念にこんな原稿を渡された祥伝社が不憫。

何年も続けたベテランの文章と、一応あるバカ要素のおかげで、読むのが苦痛でないのが救いか。

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トンコ (角川ホラー文庫)トンコ/雀野 日名子

 

 

 『トンコ』…少し期待外れだったかな。度々入る擬音で少し読みづらい。しかし、「僕たちが食べているのは肉であって豚じゃない~」というセリフはなかなか衝撃的だった。狂った現実逃避の極み。

『ぞんび団地』…ですます調の文と無垢なあっちゃんでほのぼのとした雰囲気になっているが、とてつもなくえげつない話。ハッピーエンドはハッピーエンドだが…。

『黙契』…死んだ人間の心理を幽霊ではなく、死体の視点で書くのがなかなかおもしろかった。オチが少しわかりづらいか。

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ダレカガナカニイル… (新潮ミステリー倶楽部)ダレカガナカニイル…/井上 夢人 <単行本>

 

D

 

 ラストのどんでん返しにやられた。カバーのあらすじがうまい(アマゾンリンク参照)。

ただ、『幻惑密室』や『実況中死』と違い、超常現象にルール付けをしていないため、なんでもあり感が強い。

話そのものはおもしろく、これさえなければもう一ランク上がったのだが…。

なお、現在は講談社文庫で販売中。

 

ダレカガナカニイル… (講談社文庫)

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七回死んだ男 (講談社文庫)七回死んだ男/西澤 保彦 <再読:文庫→新書>

 

S

 

 序盤から読者を引き込む奇抜な設定。やや読みにくいが、ふざけているような笑える文章。遺産に関するトラブルというドロドロしそうな内容なのに、明るく楽しいストーリー。まったく予想だにしない真相と多数の伏線。

物語を構成する要素のどれもが非常に良くできており、エンタメとして一級品。

 とにかくおもしろく、私が推理小説にはまる決定打となった本。オススメです。

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向日葵の咲かない夏 (新潮文庫)向日葵の咲かない夏/道尾 秀介

 

C

 

 事実に反しない言い回し≠伏線、だと思う。

これだけ捻れた世界を書き切り、小説として完成度高く成立させただけでも作者の力量が窺える。

しかしながら、最初に書いた理由によりオチの衝撃は小さい。上手に避けているなぁと感じさせる場面は山ほどあるのだが、真相が明かされた瞬間“だからああだったのか”と思わせる場面はほとんどない。

また“主人公の物語作りへの徹底”も描かれたため、結果として読者が気づくのはほぼ不可能なあざとさが弊害として出てしまった。

しかし…これ売り上げランキングで上位に入ってたけど、人を選びそうな内容の本で有名になっちゃうと後で苦戦しそうでやや心配な作家である。

ネタバレぎりぎりの余談だけど、読んでいて『幻想主義』という本を思い出した。あのヒロインを重症にしたのが、この本の主人公なのかな。

 

幻想主義 (カドカワコミックスAエース)

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ソウ―SAW (角川ホラー文庫) ソウ/行川 渉/ジェームズ・ワン/リー・ワネル

 

E

 

 “原作を観ておいて良かった”とここまで思わせてくれるノベライズも珍しいのではないだろうか。

アマゾンであまりにも秀逸な表現があったので引用させてもらうが「話し下手な友人にオチを云われた感じ」。正にこの表現がピッタリくる程文章は下手。

 おまけに内容が輪をかけて酷い。演出・構成・ミスリード、どれも改悪され台無しになっている。あの傑作をここまで貶められるのかと感心した。

そもそも映画ならではの演出・技巧が多数取り入れられた本作をノベライズしようという企画そのものがおかしかったのではないか。

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グラスホッパー (角川文庫)グラスホッパー/伊坂 幸太郎

 

C

  

話自体は悪くなく伏線もちゃんと張ってあり、とりあえず水準はクリアしていると思う。

しかし、作者の特徴であった軽妙さやテンポの良さと引き換えに得たハードな雰囲気は、売りにするにはちょっと弱い。

ところでこのラストハッピーエンドともバットエンドとも取れるような…?

ちなみに、現在は連載が終了しているがコミック化もされている。

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夕萩心中 (講談社文庫)夕萩心中/連城 三紀彦

 

C

『花緋文字』…どんでん返しが良かった。

『夕萩心中』…少々長いが、こちらも良作。

『菊の鹿』…動機が独特だが、ある程度の説得力はきちんと持たせている。

『陽だまり課事件簿』…人間模様中心で謎解きがイマイチに感じるがおもしろかった。課長の家庭にも救いを…

文章が巧いのはあいかわらず。また、同シリーズの話が入っているため『戻り川心中』(どちらか片方だけ読んでも支障なし)と同じように叙情的な表現が苦手な人がいるかもしれない。

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