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361 名前: 13 投稿日: 2001/05/21(月) 03:45 ID:???
2.黒魔術で悪魔を呼び出すことにした。
http://www30.tok2.com/home/orange17/2..html

読みたい方、どうぞ。このまま闇に屠られるのもなんなので・・・

あのね。黒魔術で悪魔を呼ぶことにしたんだよ。
知ってる?黒魔術?
悪魔くんが魔方陣描いて「エロイムエッサイム、エロイムエッサイム・・・」
って言うヤツ。

―――笑った?
って笑ってないよね。わかってるわかってるってば。
君は平和主義者で、人と面倒起こさないタイプだもんね。あはは。

美奈子ちゃんってそういう本とか読むの好きらしくて、外国の本とか、悪魔を呼び出すグッズとかいっぱい持ってるんだよ。

え?なんでそんなことまで知ってるのかって?やっぱり思うよねぇ。きゃは。
聞いてよ聞いてよ。私ね、その夜中に電話で呼び出されんだよぉ。
お風呂入ってもう寝ようかなって思ってたら美奈子ちゃんから電話が掛かってきたの。
今学校にいるんだけど、今日の放課後のことであなたも関係があるんだから来てよって。

なんでも確実に沢山の人間を殺すような悪魔を呼ぶには普通の魔法陣とかじゃだめなんだってさ。
低級な悪魔がでてこられても話にならないんだって。悪魔に対してすごい事いうよね。
教室みたいな狭い空間に特別な模様を描いて、呪文を唱えるんだって。
そのときに3人いなくちゃいけないっていうんだよ?
契約する人と、仲介する人と、ただ観てるだけの人。
ホントかなって疑ったけどさ、行かないと悪い気がして学校にいったの。

でもさ、学校に行く途中で思ったんだけどね、
これって美奈子ちゃんが黒魔術を実験したいだけなんじゃないのかなぁってさ。
自分は安全で魂を売ることなく、上物の悪魔を見られる。いじめがなくなって、生徒会長にもなれる。
うん。それだけのためだったら私は遠慮したけどさ、美奈子ちゃんが電話で言ってたことが
ちょっとだけひっかかったの。そう、望ちゃんのことだよ。

「ねぇ、あなた八木原さんと親しい?今日はじめて面と向かって話したけど、彼女もあたしみたいな子なのかしら?」

美奈子ちゃんはちょっと変わってるって意味で言ったんだと思うよ。
それで、望ちゃんがあのとき教室で私に言いかけたことを思い出してさ、行くことにしたんだ。

学校に着くと校門のところで美奈子ちゃんがいて、教室まで案内されたの。
机と椅子は全部隅っこに寄せて、電気はもちろん消してるよ。ロウソクが八角形で並べてあってね、ぼーっと床を照らしてるの。
魔方陣、キレイだったよ。蛸みたいな模様も見えたかな。

「望ちゃんは?」
「今、トイレに行ってるわ。それにしても彼女は変わっているわね」
「なにか言われたの?」
「いえ。だけど、私が『黒魔術で悪魔を呼んであいつらをなんとかしてもらおうか』って言ってもパカにもしないし、
文句もいわないで頷くだけなのよ。悪魔が来て願いを叶えて貰うってことはあなたの魂を悪魔に譲るのよ?
って言っても同じ。彼女が自分から話したのは、あなたに聞いたことと一緒よ。『あなたは誰かを殺したいと思ったことがある?』って」
「なんて答えたの?」
「私は人を殺したいと思ったことなんかないわ。障害があったらまず自分に力をつけて乗り越えられるようにするもの。
だから、彼女みたいになんにもしない子見るとイライラしちゃってあんなこと言っちゃったけどね」

それからちょっとして望ちゃんが帰ってきて、いよいよ儀式は始まったの。
望ちゃんを魔方陣の前に立たせて黒い布をかぷせてさ。
美奈子ちゃんは私に「何もしないで黙って見てて」って言ってまず
子瓶を取り出して、中の液体をロウソクの近くにポトポト落として歩いて回ったのね。
なんかアフリカの人が喋る言葉みたいなの喋りながら。
ゲジゲジみたいな虫の干物や、蛙の心臓とかを魔方陣に放り込んでいくの。

夜の校舎ってさ、空気がピーンと張ってるんだよ。知ってた?
でもね、美奈子ちゃんが呪文を唱えながらコウモリの羽とかいれてるとさ、
空気がどよーんとしてきてさ、魔方陣から蒸気みたいなのが出てきてね、すっごい気分悪くなるニオイがするんだよ。
地面が揺れてるみたいだったけど、教室の外はまったく変わってないの。揺れてるのはここだけってことだよね。

「来たわ!!」

美奈子ちゃんがそう叫ぶと同時に、八角形のロウソクの中に何かがいるのがはっきり分かったよ。
魔法陣の中は蒸気でいっぱいでさ、教室中に煙みたいなのが溜まっちゃって、息するのも辛かったんだから。

「我を呼んだのは誰だ」

突然声が響いたの。すっごく重い声。

「わ、私です」

美奈子ちゃんは震えてたよ。私もだけどさ。私は怖くて震えてたけど、
多分美奈子ちゃんは感激してたんじゃないかな。感動の震えだよ。

「貴様か。では、我の力を必要とするものは何処だ」

「あそこにいます」って美奈子ちゃんは布に包まれた望ちゃんを指差していったんだよ。

「奴には、我が望みを叶えたら死後の魂は我がものになると説明し、承諾したのか」

「はい、しました。承諾もとりました」

なんで美奈子ちゃんしか喋らないかって言うと、さっきも言ったけど、3人の役割があるわけね。
美奈子ちゃんは仲介役。交渉の責任者ってとこかな。で、望みを叶えてもらって魂を捧げる人は、
願い事を聞かれたとき以外は喋っちゃ駄目なんだって。
私がいる理由は、バランスをとるため、らしいんだけど、美奈子ちゃん難しいこと言ってて良くわかんなかったの。

「では、望みを・・・」

悪魔の声がそこで止まったの。
まさか悪魔も噛むのかなぁって笑いそうになっちゃったんだけど。そしたら、

「貴様!我を殺す気か!」

ってすんごいでかい声がして、美奈子ちゃんは突然、飛び上がってね。
ガツン!って音がして美奈子ちゃんの頭と天井がぶつかったの。何度も何度も。
「なんでなんで」って美奈子ちゃんの声が聞こえてったけどだんだんかすれていったよ。
私は何が起こってるのか分かんなくって、美奈子ちゃんのスカートがヒラヒラしてるのをぼーっと見てたの。
カラスみたいな手がシュッと伸びてきてね。お腹を真ん中から真っぷたつにして、また煙の中に戻っていったよ。

「私は何にも関与はしていませんので・・・」

急に弱々しい声になって悪魔は去って行っちゃった。ニオイも揺れも途端に無くなったんだよ。
あ、ニオイは残ってたんだ。美奈子ちゃんの血のニオイだよ。体の中のニオイかもしれない。

「美奈子ちゃんは責任者だったからね。悪魔に無礼なことをしたから、そりゃあ殺されちゃうか。人間の社会とそんなに変わらないことだよね。突然殺したりはしないけどさ」

望ちゃんだったの。私を見る目の黒と白が反対だったけど、喋っているのは望ちゃんだったよ。

「私ね、死神なんだよ。全部の死を支配してるんだけどさ。結構大変なんだ。全部の死をいちいち決定するのって。だから人間には私が手を加えなくっても勝手に死んでくれるようにいろいろ手ほどきをしてるんだけどね。ほら、私をいじめている子たちなんか、いい具合に手伝ってくれそうでしょ?美奈子ちゃんは駄目だね。本心で『人を殺したい』って思えない偽善者は、私の仕事を増やすんだよ。誰だって自分の仕事は楽したいでしょう?人間にもその気持ち分かるよね。あなたは正直で私の邪魔にならなさそうだから生かしておいてあげるね。あ、殺したい人いたら言ってね。暇だったらそいつ殺してあげる。」

気がつくと私は家のベッドで寝てたよ。
教室にいったら机がちゃんと並んでて、ロウソクも、魔方陣も美奈子ちゃんもきれいになくなっていたの。
机は1つ足りなくなっていたけど。

―――ねぇ、君さ、ヘイワシュギなんだよね。
それで、できるだけ他人との摩擦が少なければいい人なんだよね?
人の主義に口出ししたくないけどさ。死神の仕事増やしてあげないでね。
人間でもそうだけどさ、仕事に追われてる人って可哀想なんだよ。あ、人じゃないか。
きゃはは。

これで私の話は終わりよ。
で、次は誰が話してくれるの?


362 名前: NAME OVER 投稿日: 2001/05/21(月) 03:54 ID:???
>>361
さっそく読まさせていただきました。
良いです。
スレ違いだろうが板違いだろうがどうでもいいから、
思う存分書いてください。

→「1.美奈子ちゃんの家でいじめグループを殺す方法を考えることにした。 」を選んでいた場合。

→次の話へ

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