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学校であった怖い話S学校であった怖い話S/バンプレスト <PSP>

B

 

 

 プレイ時間不明。
攻略率不明。ただし、隠し01・02は両主人公共に出現済み。
スーパーファミコン版は所持するもほとんど遊ばず。

旧校舎の取り壊しを機に学校であった怖い話の特集を組む事になった、主人公属する新聞部。その担当となった主人公は、日野先輩により集められた7人から怖い話を聞く事になる。ところが、当日の集まりにいたのは6人だった。7人目を待たずして、主人公達は学校であった怖い話を始めるが…。

拍手[1回]


特筆すべきは、その圧倒的ボリューム。1周するのは2時間もあればできるのだが、6人をそれぞれ何番目に選ぶか・途中の選択をどう選ぶかで話の展開が変わるため、数え切れないほどの話が登場する。“飽きてきたかな”そう思うとまるで見た事のない話が出現する、終わりのない迷宮のようなゲーム。
シナリオ自体のできも良好。怪奇現象からサイコ人間、はたまたギャグまでと内容が幅広く、飽きずに続けられる。
なにより、これらがまったく予想がつかない形で出てくるのが大きい。
選択肢によって善人・悪人、話の方向性が大きく変わるため先が読めず、時には前回遊んだのとはまったく違う意外な展開を見せてくれる。
さほど怖いとは感じなかった(私のこの手の話に関する想像力の欠如があるだろうが)ものの、エンタメとしておもしろいと思わせてくれる話が多かった。
6人それぞれのキャラクター、なぜか来ない7人目と設定も秀逸。
一部CGを用いているものの、ほぼ全編実写なのでグラフィック的な古臭さも感じなかった。

難点は話のできに大きな隔たりがある事。明らかに外れと思われる話もあり、玉石混合感は拭えない。

もう一点、大きな欠点として攻略情報必須な事が挙げられる。
隠しシナリオを通常通り遊んで出すのは不可能に近い。隠し01では、6人を特定の順番で選ぶだけでも“6!=720”通りとなり、さらに各々で特定の話を聞かなければならない。隠し02の出現は、隠し01出現が必須なため難易度はより高くなる。

では、隠しシナリオを諦めて純粋に話を読むだけなら大丈夫かと言えばさにあらず。
新堂誠の7話目はプレイ継続を諦めたくなるほどの難しさ。飛ばせない社名ロゴと話中で行動できるようになるまでの長い前振りにより、リプレイ性も低い。
SFC版ではバッドエンド扱いで死んでも次の話に進めたのが、本作ではゲームオーバー扱いとなりクリアするまで次の話に進む事ができないようになりせっかくの人気シナリオ(ウィキペディア参照)がただの苦行へと変化してしまった。。

また、ゲーム内にはルートマップ等がないので誰の何話目を聞いた事があるのかわからず、それどころか既読文スキップ・既に選んだ選択肢の色変更すらないため完全にプレーヤーの記憶頼りとなる。上記したように既読文スキップがなく、1ページ分送るという操作しかないため、飛ばすのがやや面倒。バックログがないため、誤って飛ばしてしまうと内容がわからない。1ページ送りは決定も含めているため、意図せず選択肢を選んでしまう事がある。実写背景に白文字を重ねる方式なので時々字が見づらい、とシステム的にもやや不満の残るでき。
グロテスクな描写も見られ、苦手な人はその点も気をつけたほうがいい。

つらつらと難点を多く書いたが、これを無視できるほど魅力に溢れるゲーム。傑作サウンドノベルと胸を張って言える作品が600円で遊べるとあれば、薦めない理由はない。
(カスタム操作でスティック下を"×"にする必要があるが)PSPを左手で持てば片手で遊べるため、電車の中で読書代わりに遊んでみてはいかがだろうか。
最近アニメ絵のアドベンチャーゲームが多いため、そういったものに比べれば人に見られた時の恥ずかしさ減じる(と私は思う)。

なお、隠しシナリオのためにもこのゲームでは1つのセーブデータを使い回す事を推奨する(男主人公と女主人公があるため、都合2つになるが)。

最後に余談をいくつか。
攻略情報が必須と書いたが、攻略サイトとして『日野様の部屋』を紹介しておこう。隠し02出現条件リストに、印刷用の白黒ページを用意してくれている。グーグル検索“学校であった怖い話”で2番目にくるサイトなので(1番目はウィキペディア)わざわざ紹介する必要もないだろうが。

もう一つ紹介したいのが『学校であった怖い話R』。
基本的に素人作品を読まない私が、珍しく引き込まれた二次創作。よそのサイトから許可を得て、BGMまで付ける気合の入れよう。ひとりかくれんぼを学校で、という発想は拍手物だった。
最後に、『学校であった怖い話R』様に触発され私も本作の二次創作小説『学校で聞いた怖い話』を手がけた。上記サイトの足元にも及ばない出来ではあるが、もしよろしければ一読していただきたい。

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