C
メモリーズオフシリーズ初プレイ
エンディング・シーンタイトル・アルバムコンプリート
既読率:99.79%
プレイ時間:47時間
実績:985
以上の状態で書いたレビューです。
伏線があまりにも丁寧すぎるのが最大の失敗だろう。
山場であるちなつ・霞共通ルート終盤の展開がことごとく読めてしまう。
こういってはなんだがどんでん返しとしてはありふれた内容なのだから、伏線をあえて少なくしても良かったのではないだろうか。
“これが伏線だったんだ”というのがもてはやされがちな昨今だが、基本的に伏線は後の展開のための前振りなのだから、読者が展開に無理を感じない程度にあれば問題ないだろう。
サプライズ用の伏線以外にも“さっきあんなことを言っていたな”という場面でいちいち回想を入れるためゲームテンポが非常に悪い。もう少しプレーヤーの読解力を信用してもらいたいところ。
シナリオのバランス配分も悪く、10時間も共通パートで待たされた末にやっと入る個別パートは4時間程度で終わってしまった。
私はちなつ目当てで本作を購入し一番好きなヒロインも今もって彼女だが、専用ルートははっきり言ってつまらなかった。いちゃいちゃと甘いやりとりを見せてくれるでもなく、ちなつが相手を好きになるまでの過程を見せてくれるわけでもない中途半端な内容。
霞ルートは声優の面目躍起といったところ。ハスキーボイスで冷たいことばかり言われた後のあれでメロメロにならない男はいないだろう。内容も甘ったるい恋愛に邪魔者の退治と王道で楽しみやすい。
全ヒロイン最多のエンドという力の入れようの織姫ルートは、ハッピーエンドもバッドエンドも半端にせず突き抜けてくれた。このルートのラストは印象深いものが多い。
詩名ルートは…こういうグダグダは恋愛物ではお決まりなのかもしれないが、さすがに全編それというのは失敗だろう。ヒロインにとってのネックであるちなつの反応が描かれず終いなのも残念。
リサルートは出身に因るギャップとか家族とのすれ違いとかいくらでもやりようがあったろうに目立った山場もなく終わってしまった。というか彼女の父が予想外にいい人だったせいか恋愛より家族愛の方が印象に残っている。
システム面でもはっきり言って褒めづらい。
ゆびきり分岐とわざわざ名前を冠しているが、普通の選択肢分岐とまるで変わらない。これのどこが特殊システムなのだ。
また上記したように共通パートが長いためプレイ時間の2割ほどは既読文スキップをただ待つだけ時間になってしまう。分岐は少ないのにエンドは多いという作りがスキップ時間の長さに拍車をかけ、下手するとエンディング直前までほぼ全部スキップという周すらあった。
ゲームであることを意識した表現は良く、思案中に話しかけられるのをテキストと音声の内容を別にすることで表現したり、恋愛物では定番の「え?今なんて言ったの?」を体感させてくれるのはおもしろかった。
シナリオもプレイ前からすれば間違いなく予想外の内容ではあったし、演出も上手。特に怒涛の展開からオープニング2ラストの「―ー真実の記憶 開放――」は盛り上げとして拍手物。
良い物を作ったのに肉付けで失敗してしまった惜しい一作
あと、ものすごく個人的なことなのだが授業中に騒ぐことをさも青春の一ページのように書くのはちょっと…。
他のクラスからすれば迷惑だろうに注意する立場の大崎を悪役にすることでごまかすのはいただけない。
稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。