EVER17 ‐the out of infinity‐ Premium Edition/サクセス <PS2>
C
※ネタバレ多めにつきご注意ください。
全エンディング達成・全シーンタイトル達成・アルバム完成度残り1つ・既読メッセージ率98%・選択肢達成率79%、という状況でプレイを止め、そこから何年か経った後に書いたレビューです。
記憶に頼って書いたものであり、誤りがあった場合はお詫びいたします。
先日PSPでリメイクされた名作。記憶が正しければ私の初美少女ゲーム(数える程しか遊んでいないが)。
私の想像を遥かに超えるしっかりしたシナリオで”美少女ゲームなんてイラストで客釣ってるだけの適当な物”という先入観を吹き飛ばしてくれた。
システム面は実に快適で、既読文スキップ・オートモード・バックログどころか一度見た所なら好きな場面から始められるという素晴らしい設計。
ストーリーも絶賛されるだけあり良くできている。
サバイバル物としてはかなり物足りないが、恋愛物として読めば十分ではないだろうか。
そしてやはり語るべきはその真相だろう。
大元となるネタ自体はわりと手垢のついたものだが、物語との融合が実にうまい。『時計館の殺人』のような感じ。
真実を明かされた読者の頭に浮かぶ”じゃあ、あの場面は?”という疑問を伏線回収によって次々と消化していくのには感心した。
ただ、手放しで褒められるゲームかと言うとそうでもない。
まず、最終ルートのグダグダ感。
ご丁寧に今まで見てきた場面の大半を”騙さない状態”で見せてくれる。
別の文に書き直されているため既読文スキップは使えず、まだ見ていない事実が明かされるかもという思いから読み飛ばすわけにもいかない。
結果として最も盛り上がるはずの最終ルートが最も退屈極まりないものとなってしまった。『ロートレック荘事件』と同じ過ち。
そしてもう一点、エンディングを迎えても明かされないままの謎がある所。
闇鬼の声やエンディング後の生態反応等この物語は数々の疑問点をプレイヤーに解説しないまま幕を下ろす。
上記したように長々とした解説があるにも関わらず、だ。
”読者の解釈に任せる”という手法自体は否定しないが、作中で大々的に提出した謎を未解決で済ますのはいただけない。
考察サイトをいくつか覗いてみたがそれぞれで意見がわかれており、やはりいたずらにプレイヤーを混乱させるだけの仕様だったと言わざるを得ない。
読み返せばいいという意見もあるかもしれないが、全エンド達成まで50時間という分量ではさすがにつらい。
好きな場面から始められるシステムではあるが、この物語はそこかしこに伏線が仕込まれているのだ。
余談だが、主人公が沙羅のレタスを貰う場面でドン引きしたのは私だけだろうか。
女の子の頬についたケチャップをレタスで拭い、それを食べるというのははっきり言って気持ち悪い…と私は思う。
※エイプリルフール用に書かれた記事ですが、レビュー自体はまじめに執筆しました。
稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。