B
語りの妙か物語自体の魅力か、主人公に感情移入させるのがうまい。
ただ、『都市伝説セピア』は恐怖という万人に共通の感情であったのに対し、本作のノスタルジーは読み手の経験に依存するため楽しむのに若干のハードルを感じてしまう。たとえ平成生まれであっても失われた昭和の風景に哀愁を感じはするだろうがやはり不十分であろう。
大阪の下町という舞台設定がさらに読者層を狭めてしまっている。
解説(重松 清)の解釈は都合が良すぎでは。
C
序盤は丁寧すぎるくらいの描き方だったが、後の方はダイジェスト版を読んでいるようだった。
謎の犬の正体はニャアか?なんて予想していたがそういった捻りも一切なくバトルマンガのよくあるパターンをササッとなぞって終わってしまった。
最初にゆっくりしすぎたがゆえの打ち切りだろうか。
兼田刑事の異常な扱いの小ささなど後から使おうとしたのだと思われる伏線が散見される。
『ダブルアーツ』もそうだったのだが、先を意識しすぎて、その時やっている話に割けるページを減らしすぎるのは本末転倒。
C
謎の奇怪さが期待を煽るが結末はやや拍子抜け。
巨人とか起きた現象を誇張しすぎだと思う。死体歩行の謎も簡単に当てられた。
社会派の部分は動機に社会問題がほとんど関係なく、また冤罪・戦争の傷跡という片方だけで1冊書けるようなテーマを扱ったわりに問題への踏み込みは浅い。 話創りに使いやすかった社会問題をつまみ食いしたという印象にしかならず。
トリックまで問題追究に使った『13階段』を見習って欲しいところ。
D
ロリコンマンガというコメントしか浮かばない。
男が不可抗力でセクハラをしてしまい突っ込みを受けるというクスリともこないギャグが何度も使われるようなストーリー。人物の見分けがつけづらいうえに背景まっさらな絵。
今バリアー張ってるから無敵、なんて鬼ごっこ中に言いだすような小学生らしさをアニメ版はとても上手に表現していたが、こちらにはそういった要素もない。
結果、目に付くのは小5少女のサービスシーンという残念な作品。
あと、チカの存在感がなさすぎる。
余談。いくらアマゾンを調べても文庫版が見つからないと思ったらこの限定版でしか売ってなかったよう。中古書店で本だけ買ったからまったく気づかなかった…よく見ればカバーにバーコードもついていない。
C
劣化カイジ(『賭博黙示録カイジ』)という印象しか受けなかった。
麻雀雑誌だからそれの必要性については何も言わないにしても、示談交渉という題材がまったく生きていない。というかほとんど関係ない。
麻雀のルールはあまり知らないが、あくまでも勝負師物としてそれなりに楽しめた。近藤のキャラづけはよくできていると思う。
あと、鼻水と涙ダラダラの絵は少し好みがわかれるか。
C
奇妙な謎と意外性のある解決という推理小説のお手本のような内容。
ただ、論理を積み重ねてくというより数ある可能性から事実と矛盾しないものを選ぶというやり方なので、本当にそれであってるのか?と思ってしまう(『空飛ぶ馬』でも近いことを感じたが)。
そのため真相にも驚けない。
また、あとがきを読む限りわざとマンネリにしているようだが同じ内容なら書く必要ないでしょ。奥さんの毎度の顔見せはいらないだろう。
推理小説的お約束の様式美とマンネリは違うと思う。
稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。