C
絵が丁寧。
色使い(黒の濃淡)のせいか最近の漫画のような澄んだ空気感はないが、団地の傷み具合など描き込みが細かい。
そういった作風が、目に見えない力によるちょっとした変化を描く超能力という題材とマッチしている。
ストーリーは超能力者同士のガチンコバトル。善悪の戦いというより、子供のけんかだが。
しかし、こうして昔の作品を見ると『ジョジョの奇妙な冒険』の超能力可視化がいかに画期的なアイディアだったかわかる。やはりなにをしているのかわかりづらい。
C
今までの作品で良かった所をなくしてしまった。
綿密な取材に基づいた社会的要素はないし、ストーリーもややありきたり。短編集だからか、映像化を念頭に書かれたからか。
ファンとしての期待値を差し引いても凡作と言わざるを得ない。
目立った欠点のある作品ではなく、それなりに楽しめる本ではあるのだが、デビュー作の『13階段』をピークとして1作出すごとに落ちてきているので、次作で盛り返して欲しい所。
D
最初に読者へのメッセージを入れるやり方は『0の殺人』を思い出すが、こちらはうまくやってくれた。双子トリックという一種のタブーを、事前に読者に知らせる事で有効活用する試みは評価したい。
が、読み物としては並。
平易を通り越して味気なさすら感じる文章だが、2つの事件がどうつながりどう終わるかでモチベーションを保つ事ができる。
オチは綺麗にまとめたものの衝撃的とまではいかなかったか(メインも例の“逃げ”だろうし)。
『そして誰もいなくなった』のネタバレで1ランクダウン。
C
プレイ時間不明。
「オールコンプリート!」(32・34)出現済み。
1枚絵コンプリート。
イベント未コンプリート。
という状態で書いています。
中学生の時デートをすっぽかされた事でクリスマスにトラウマを持つ主人公、橘純一。
今年こそは楽しい聖夜にしようと一念発起する彼の6週間を描いた恋愛シミュレーション。
アマガミ考察2 絢辻詞の献身
アマガミ考察1 橘純一は疫病神なのか?の続きです。
前置き
長ったらしい上にどうでもいいので興味のある方以外は「続きを読む」で飛ばていただきたい。
考察1で書いたように不幸になるヒロインがいるものの、絢辻さんは違うと思っていた。
彼女が仮面を外し、真の性格でエンディングを迎えるスキBESTこそが最良だと思っていた。
クリスマスまで仮面をつけて過ごすナカヨシルートの彼女は不幸だと思っていた。
が、下記の考察を読んでその印象は崩れた。
『( 凸)< ブブーン、ドドドーゥ !!|アマガミ:プレイ雑記その2/絢辻詞』
『不死鳥の夜明け「絢辻さん 僕の前では我慢なんかしなくていいから」』
正直いまだに飲み込めていない部分もあるが、説得力のある内容である。
後々の事も考えるなら人間として成長できているナカヨシルートの方が良かっただろう。
だが、私はこれを読んでいるうちにある考えを持つようになった。
クリスマスという1日限定で観れば彼女が最も幸せなのはスキルートである、と。
以下、その根拠を列挙する。
C
『死刑囚042』でも書いたが(あらためて読み返すと言いたい放題だな…)、イマイチのめり込めない。不定期連載になって1話にボリュームが出てから多少マシになったものの、やはり最終回まで盛り上がらなかった。
キャラクター達の軽さとえぐい内容もミスマッチで、中和のつもりかもしれないがどっちつかずなってしまった感じ。
ギャグのせいか、主人公達どうせ死なないだろというのが常に頭にあり、サスペンスとしての緊張感がないのも痛い。
あと、この作者“いう”と“ゆう”をナチュラルにまちがえてないか? まじめな人物までゆうなのは違和感あり。
C
旅行記とそれに伴う人間関係が長々と書かれるが、核の部分は普通のミステリー。悪くはないが、特筆するような点もない。
長い旅行記というと『空飛ぶ馬』を思い出すが、こちらは人物にクセがあるせいかそう苦にならなかった。
ついでに言えば、そのおかげで多目の人物も覚えやすい。
あと、読んでいてなんとなく思った事だが、作者は色々な人物の思惑が重なって事件を複雑にしているという手法が好きな気がする(それとも古典推理小説全般がそうういうものなのか)。『オリエント急行の殺人』は彼女が書いたからこその傑作なのかもしれない。
稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。