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魔王 1―JUVENILE REMIX (少年サンデーコミックス)魔王(1~10)/大須賀 めぐみ/伊坂 幸太郎

A

 

 

 『魔王』のコミック版。

 あの原作をここまでおもしろくした事に拍手。

改変がどれもこれも上手で、たとえば犬養を若くし舞台を市へ変えた事で、既に犬養が支配している状況でも荒唐無稽になるのを避けている。

原作を意識せずとも、意外性に富んだストーリーと巧みな演出で楽しませてくれる。

また、主人公達の頭脳や犬養のカリスマ等どの人物も魅力的に描けており、彼らの真剣勝負に思わず引き込まれてしまう。

ただ、スタートの駆け出しが弱いのと終わり方があっけないのが難か。その分、中盤の盛り上がりは凄まじいが。

なお、完全に別物となっていので、原作ファンには受け入れがたい内容かもしれない。

とりあえず3巻まで読んでみて欲しい。伊坂ファンもそうでない方もぜひ。

ちなみに小学館ホームページで少しだけ試し読みできる。

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るろうに剣心―明治剣客浪漫譚 (巻之1) (ジャンプ・コミックス)るろうに剣心 明治剣客浪漫譚(1~28)/和月 伸広

C

 

 接近戦中心なのに見やすく、力押しだけではない戦術にも重きを置いた戦いは〇。

しかし、剣心が強すぎて逆刃刀という剣士には致命的なはずの縛りがまったく活きていない。技術のなさ未熟さを気合や機転でカバーする左之助や弥彦の戦いの方がおもしろかった。

 また、人斬りと不殺の間で揺れる様もそううまく描けているとは…廃人化はこれとは無関係だし。

 ストーリーもイマイチ印象に残りづらく、そのくせ過去のエピソードを踏まえた内容なので(続き物だから当たり前ではあるのだが)、微妙にわかりにくくなってしまっている。

とは言え、粗は目立つがそれでも良作なのは確か。

しかし、ちょい役で登場したキャラを人気ランキングベスト10入りさせたり、作者にクレームを送りつけて怒らせたり、新撰組ファンは変人が多いのか…? 「和月はどうしようもありません」(17巻)なんて普通書かないぞ…。

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ダブルアーツ 1 (ジャンプコミックス)ダブルアーツ(1~3)/古見 直志

D

 

 

 手をつなぎっぱなしというアイディアは良く、なかなかおもしろかった。

が、全体的に進みが遅い。丁寧に描いていると言うより、ゼイ肉が絞りきれていない感じ。スイの血統だの絵が好きなハイネだのの話も後回しで良かったのでは。

“これからおもしろくなりそう”と期待させてくれるものの、“おもしろい”と今を楽しませてくれる部分が少ない。

 頻繁に入るギャグがことごとく滑っていたのもきつい。

だが、一番の難点は作品としてあまりにも“未完成”丸出しな事。

二人いるのに二手に分かれた敵がいた場合片方しか追えない、片方が負傷しただけでもう一人も動きが制限される等、いろいろ話を広げられそうな設定だけに打ち切りが惜しまれる。

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銀と金銀と金(1~5)/福本 伸行 <コンビニ版>

C

 

 

 闇の錬金術師・だましのテクニック・逆転への爆薬・土壇場の陽動作戦・未曾有の賭け競馬を読了。

無期限休載中との事だが、もう13年にもなるのだから完結扱いで良いだろう。

後味の悪い終わり方ではないが、なんとなく打ち切りマンガっぽいラスト。

 各部の共通点が“悪党が出てくる事”ぐらいで(その悪党の描写が凄まじいが)、後はポーカー等の心理戦や選挙を利用した社会戦から殺し合いまでと幅広い。

と言うか、幅が広すぎて楽しめる話とそうでない話が出てくる。心理戦目当てで読んだ私には、仕手や選挙の話はどうにも受け付けなかった(どれにも人の心理を読む要素は一応あるが)。

心理戦自体は『賭博黙示録カイジ』のようなトリックより、相手の心理状態を操作・利用するようなものが中心。そのため、追い詰められる者の心理が丁寧に描かれヒリヒリとするような緊張感を味わえる。

なお、現在は文庫版がでているのでそちらでどうぞ。

銀と金 (1) (双葉文庫―名作シリーズ)

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いばらの王 (1) (Beam comix)いばらの王(1~6)/岩原 裕二

C

 

 惜しい。序盤は本当におもしろかった。

 それが見づらいアクションシーンで緊張をそがれ、徐々にファンタジーな内容になっていき、駆け足のラストはわかりにくく…だが、何よりも痛いのは終盤でジャンルが超人バトルになってしまった事。

普通の人間ががんばるのがこの手の話の見所なんだから…。B級サバイバルホラーを貫いて欲しかった。

 絵は丁寧に描かれているし、謎や伏線も良い、オチもなかなか驚いた。いろいろと書いたけど、最後まできちんと楽しませてくれる。

もうちょっとうまくすれば、Bランクも狙えたマンガ(若干、コストが高い気はするが)。

あと、カスミのブレスレットが黒くなるのはおかしいんじゃないか…?

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クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番/米澤 穂信

C

 

 

愚者のエンドロール』に次ぐ、古典部シリーズ第三弾。 

多視点形式で次々と描かれる文化祭の光景にまるでお祭り騒ぎを見物しているような楽しさを味わえる。

 とにかく読んでいて楽しいが、それは証拠を集め仮説を立てていくミステリーよりキャラクター物を取った結果。

推理物としてみると前作より明らかにネタが弱い。

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転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)転・送・密・室/西澤 保彦

C

 

 

夢幻巡礼』に次ぐ、神麻シリーズ(あるいはチョーモンインシリーズか)第五弾。

 『現場有在証明』…ミスリードが下手。ちょっと考えれば読める。

『転・送・密・室』…作者お得意のドロドロ動機。ちょっと無理がある気もするが。

 『幻視路』…まぁ、この中ではベストか。珍しくいい話。

 『神余響子的憂鬱』…神余のキャラがナイス。チーフとの掛け合いも良かった。

『<擬態>密室』…上の話にも言えるが、新キャラの登場が全て。他はおまけ程度。

『神麻嗣子的日常』…このシリーズで初めて次巻が読みたいと思ったかもしれない。

神麻へのツッコミ役である神余と謎の人物リキの登場でやっとおもしろくなってきた。…推理物としてではないのが残念だが。

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乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)乱歩賞作家 赤の謎/アンソロジー

C

 

 

 長坂 秀佳、真保 裕一、川田 弥一郎、新野 剛志、高野 和明による短編集。

『「密室」作ります』…ネタは悪くないけど、無駄に長い。

『黒部の羆』…『ホワイトアウト』のイメージがあったため完全に油断していた。

 『ライフ・サポート』…何がしたかった? 小説としてもミステリーとしても物足りない。

『家路』…上に同じ。だが、さらに出来は悪い。

『二つの銃口』…謎解きはほぼないが、本書の中では一番引き込まれた。

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魔王 (講談社文庫)魔王/伊坂 幸太郎

D

 

 

 いつも通りの軽快な文章とその場その場の展開で読んでいる途中は感じないが、終わってみるとストーリーの大きな流れがほとんどない。

 『魔王』は主人公が世間の流れに不安を感じつつ自分の能力に気づいていくだけだし、『呼吸』も能力に気づく以外はただ日常が描かれているだけ。

世間の流れが凄まじくても個人レベルでの影響は少ないという意味かもしれないが、エンタメとしては×。

山場もなくオチもないとはこの事か。

読むのが苦痛ではないが、物足りない。

あと、『魔王』に『死神の精度』の千葉が出ている。

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ストーンオーシャン―ジョジョの奇妙な冒険 Part6 (1) (ジャンプ・コミックス)ジョジョの奇妙な冒険 Part6 ストーンオーシャン(1~17)/荒木 飛呂彦

C

 

 『ジョジョの奇妙な冒険』第6部。

偶数部は頭脳戦の法則通り、機転を利かせた高いが楽しめる。

しかし、同時に能力も複雑化し、難解になっている部分も。特にジェイル・ハウス・ロック戦は敵の攻撃法・その攻略法共にイマイチ納得がいかない。

また、終盤の展開は完全にSFもしくはファンタジーで、理解するというより受け入れるかどうかになっている。

他の部に比べてスローペースなのもあって、ある意味一番人を選ぶ部かもしれない。

 個人的にオラオラが最も気持ち良いのはこの部だと思う。ボコボコにされる敵とラッシュを放つスタンドが、大ゴマを使って一緒に描かれるのが実に爽快。他の部でも上記の特徴は満たしているのだが。

ちなみに既読の人はぜひこのサイトを見て欲しい『文芸ジャンキー・パラダイス』内『ジョジョ名場面50選』。ここまで深く受け取れる読解力がうらやましい。特に新生ウェザー・リポートと79巻の徐倫に関する考察には感心した。

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デジタルな神様 (幻冬舎文庫)デジタルな神様/渡辺 浩弐

C

 

 

 なぜかタイトルにもあらすじにも書かれていないが、『マザー・ハッカー』に次ぐ1999年のゲーム・キッズシリーズ第三弾。

『国境』はポポン国民の集団自殺オチかと思ったのだが…。やや、ありがちな終わり方で残念。

あと、あらすじの文だが、『国境』のどこがオウム事件を予見しているのかわからない。

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特命高校生 (ジェッツコミックス)特命高校生/竹内 桜

C

 

 

 主人公が心霊現象を解決していくという内容といい怪奇に関するウンチクといい所々に見られるエロ要素といい『地獄先生ぬーべー』の大人向け版といった感じ。

ストーリーはまあまあ。後々続けるための複線的な話であったと思われる高校生自殺事件以外はおもしろい。(しかし…薫の体質はまったく活かされなかった…)。

 絵もなかなか綺麗で、戦闘シーンも見やすい。

 良くできた作品ではあるのだけれど、もうちょっと何か売りとなる要素が欲しかったかも。

青年誌よりも少年誌向けの内容、というかほぼ少年マンガ。単行本未収録話があるらしく、打ち切りだとしたら(なんとなく私の思い込みで打ち切りと書いているが、確定的な情報があるわけではない)その辺りに原因があるのだろうか。

以下、余談。

このマンガを読んでいると『特命転校生』というTRPGを思い出す。プレイヤーが様々な学校に転校(潜入)し、様々な問題を解決するというゲームで、問題は心霊的なものとは限らず主人公も色々と職業があったのだが。ちょうどこのマンガの最初の話が近い雰囲気。

“『地獄先生ぬーベー』大人向け版”とか、書いてたら本家が大人向けぬーべーを始めた模様。

霊媒師いずな 1 (ジャンプコミックスデラックス)

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レベルE (Vol.1) (ジャンプ・コミックス)レベルE(1~3)/冨樫 義博

B

 

 “ああ、こうなるんだろうな”と予想する(実際そういった展開になりそうな盛り上げがされる)とその斜め上を行く意外な結末が待っている。演出の巧さと的確なミスリードで先が読めない。

 また、不要な場面をカットしたり、それまでに出ている要素を使うことで話を短くまとめるのが巧く、一話一話の内容が濃い。

お気に入りは人魚と少年ヒーローの話『Boy meets girl』。あのラストは本当に見事としか言いようがない。とんでもない結末を見せてくれる王子の結婚話『Full moon…!』も良かった。

また、悪ガキが人食いの怪物を見てしまう『From the darkness』『Ctime of nature…!』や『You’re my darling!』なんかは叙述トリック的な部分もある。ミステリー系からギャグ系までオチが多彩。

あと、上記した悪ガキの話、終盤のテープの独白でなんとなく『ジョジョの奇妙な冒険』第4部の吉良吉影を思い出した。

それと『Field of dreams!』に始まる野球部の話はちゃんと考えれば誰が犯人なのかわかるようになってるんだなぁ…。私同様、自力では解けなかった方はこちら『あかしあの雑記帳』へどうぞ。

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花子と寓話のテラー (1) (角川コミックス・エース)花子と寓話のテラー(1~4)/えすの サカエ

C

 

 序盤は都市伝説を上手に絡ませた話で好感触だったのだが、『コックリさん』あたりから変な方向へ進みだした。

寓話につかれた人ではなく、亜想達が話の中心になってしまい、寓話の要素がかなり薄い。

また、時々入る“ホラーと思わせてギャグ”というのも肩透かし感があって×。逆なら大いに結構だったのだが。

あと『人面魚』のやつ人面魚じゃなくて半魚人だろアレ。

もう一つ余談、『口裂け女』の「花子ちゃん!」「ちゃん?」で実はこいつ男なんじゃないかと思ってしまった。

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ジョジョの奇妙な冒険 (1) (ジャンプ・コミックス)ジョジョの奇妙な冒険(1~63)/荒木 飛呂彦

C

 

 

 1部:波紋が出るまでが苦痛すぎる。短いのが救いか。

2部:1部よりは読みやすいが、スタンド編に比べると絵がかなり濃い。

3部:ボインゴ・トト神戦2回目、予言が外れたのに納得がいかないのは私だけか。

4部:回復能力であそこまで色々できるとは思わなかった。工夫して能力が使われるのがおもしろい。

5部:主人公がラスボスの弱点となる能力発動ってオチはどうよ?粗が目立つ部。あと、メタリカで黒色の砂鉄を集めてなぜ背景にとけ込めるの?

ランクは1~5部通しての総合評価とした。

絵柄らやセリフなど独特すぎる雰囲気は取っ付きにくいが、はまれば気にならなくなるか病み付きになるかで短所とは感じない。

能力の特殊さに特化し、パワーのインフレを防いだスタンドのアイディアは◎。独特なデザインも良い。

ただ、同じ部の中ですら矛盾、それも読み返せば気づくような大きな物があるのは×。

部ごとに主人公から何から話の内容が大きく変わるため、個人的には別のマンガとして区切って欲しいのだが…。マンガ喫茶なりなんなりで全巻読んで、部ごとに区切られている文庫版で好きな部だけ買うのが正解かと。各部で若干繋がりがあって、モヤモヤするのは難だが。

奇数部は気合で勝つパワーバトル・偶数部は工夫で勝つ頭脳戦となっているので、前者が好きなら3部・後者が好きなら4部がおすすめ。

ちなみに911テロを予言したような場面がある。

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生者と死者生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術/泡坂 妻夫

B

 

ヨギ ガンジーシリーズ第三弾。本書だけ読んでも特に問題はないと思われる。

今回はちょっと特殊な本なので軽く紹介を。

本書はいくつかの袋とじから成っており、まずその表に書かれた文だけを読む事で短編小説となる。次に、今度は袋とじを破り全てのページを読む事で長編小説となるのだ。現在では新品入手が不可能なので、P16・17、32・33、48・49、64・65,80・81,96・97、112・113,128・129,144・145、160・161,176・177、192・193,208と読めば短編を再生できる。

では、レビューを。

短編が“消えて”、長編へと解け込む様はまさに手品を見せられているよう。ただの仕掛けではなく、同じ文章がまったく別の場面になるという他では得られないおもしろさを創り上げた。

ただ、繋ぎにやや違和感があったり短編のできがかなり微妙だったりと完璧に決まったわけではない。

また、前作に当たる『しあわせの書』でも書いた事だが、読み物としてイマイチで“本の形をしたおもちゃ”状態なのも難。

とは言え、今回は楽しみ所が全体に分散しているので読んでいてダルさは感じない。

 あと、短編の方に『11枚のトランプ』からマジキクラブメンバーのゲスト出演あり。

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LIAR GAME-roots of A―甲斐谷忍短編集 (ヤングジャンプコミックス)LIAR GAME roots of A 甲斐谷忍短編集/甲斐谷 忍

C

 

 『LIAR GAME roots of A』…秋山の推理はおもしろいが、その後がやや駆け足気味

『ナインダーツ』…福本伸行にでも描かせればおもしろそうな内容。淡々としすぎ。

 『サンソウ』…相手の先を打って行動するという意味では表題作よりライアーゲームっぽい。読みきりではなく長編でも読んでみたい作品。

『甲斐谷忍の愛犬物語』…量からして巻末のおまけレベル。つまらなくはないが。

『@ラヴァーズ』…オチは早々と読めるが、嫌いじゃない。

『ONEOUTS』を読む限り、この人トリックは巧いけど話を盛り上げるのが下手な印象。大掛かりなネタを仕込めない短編では作者の良さは出しづらいと思う。

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賭博破戒録 カイジ 1 (ヤングマガジンコミックス)賭博破戒録カイジ(1~13)/福本 伸行

D

 

 

 『賭博黙示録カイジ』に次ぐ、カイジシリーズ第二部。

前作のような心理戦はほとんど残っていない。

それでも語りの巧さと心理描写で地下帝国編まではそこそこおもしろかったが、その後のパチンコ編があまりにも酷い。

 ただ、グダグダと引き延ばすばかりで6冊以上も使うような内容とは思えない。まさかこれが最終巻まで続くとは予想しなかった。

おまけにパチンコ編のオチは冗談かといいたくなるようなもので、実際読んでいる途中で私はそれを笑い話として思い浮かべた。

もう読んでいる間、悪役である店長よりここまで落ちぶれた作者に苛立ちを感じる程のダメっぷり。

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黄金色の祈り 文春文庫黄金色の祈り/西澤 保彦

C

 

 

 推理はおまけ程度で、満たされる事のない主人公の生き様がメイン。

こう悪い、と理屈をこねて糾弾する同著者他作と違い、欠点にのっとった行動が描かれている。

そうして、あっさりとした表現になっているのは主人公の独善性の表れだろうか。主人公の欠点は、他人から指摘されるか、現在から過去を振り返るという出方が多い気がする。

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SOMEDAY 1 (ヤングサンデーコミックス)SOMEDAY(1~8)/原 秀則

C

 

 就活については味付け程度。書かれた時代が違う(1巻発行1997年)のもあり、実践的なことは望めない。

絵は若干古さを感じさせるが、十分いける。

ただ、物語としての詰めの甘さを感じた。

三田村・杏奈はなにがしかの結末付けがされると思っていたら、やっつけとしか言いようのない扱い方。岡島に至っては存在すら忘れられていたのではないか。

 あと、青年誌の恋愛物なのでHしてるシーンが多め。エロ目的で見れるようなものでないが。

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