C
すごいけど、そんなにおもしろくはないかな。
一つ目のオチは文章の不自然さもあって簡単に読める(「千鶴」の章にはやられたが)ものの、二つ目は見事にやってくれた。
トリック自体はありがちかもしれないが、使い方が非常にうまい。この発想はなかった。トリックの新しい可能性を示すものではないだろうか。
ただ、私が軽くネタバレをくらっていたのを差し引いても衝撃はあまり強くない。伏線もしっかりしていて、十分予想外だけど、それで話がどう変わるかと言えば犯人当てにちょこっと使われるだけ。
あと、最後の生存者は人それぞれ、ネットでも諸説ある模様。私としては『黄金の羊毛亭』さんの説がしっくりきました。右上の「ネタバレ感想」という所をクリックすれば読めます。
C
金田一耕助シリーズの一部らしいが、これだけ読んでも特に問題はなかった。
『本陣殺人事件』…長いよ。「ソア橋事件」のネタバレもマイナス要素。『8の殺人』といいネタバレ好きに愛好されてるのか?
『車井戸はなぜ軋る』…この真相は読めなかった。一番好きな話か。
『黒猫亭事件』…ミスリードがうまい。顔のない屍体かと思ったら…。最初のやりとりにやられた。
トリック等より事件全体のストーリーを楽しむ作品か。
D
『さらば長き眠り』に次ぐ、探偵沢崎シリーズ第四弾兼新探偵沢崎シリーズ第一弾。
原さん年食って丸くなっちゃったのか?
行動や情景を淡々と重ねつつその端々に心情を浮かばせ沢崎をハードなヒーローに仕立て上げていた従来の作品に対し、今作では心理描写が多用され凡百の主人公と変わらなくなってしまった。
ニヒルな文章にもどこかキレが出ず、読んでいるだけで楽しいという本シリーズ最大の魅力を減じさせている。
それらの要素を第二部への変異と見るべきなのか、ただの失敗と見るべきなのかは判断しかねる。
後記で「短時間で書くことができたことは、本作につづく新シリーズの第二作、第三作の早期の刊行をもって証明するつもりです。」と言っておきつつ5年経った今も次巻が出る様子はない。
F
完全にこれのパクリ(続編の2を少し混ぜた感じか)。初めての原作なしがこれって作者は恥ずかしくないのか?
犯人発覚は、張り巡らされた伏線が回収されるでもなく推理の果てにたどり着くでもなくさして意外でもない。
トリックもダメダメ。パクリ元は無理のあるオチを構成や伏線で見られるものにしていた。対するこちらはその辺りを改変したものの“ありえねえ感”は五十歩百歩。
途中のサスペンスも、論理的に疑い合いもしなければ疑心暗鬼が良く表せてるわけでもない。ただ、ギャーギャー喧嘩するだけ。
絵も一見すると綺麗なようだが、マンガとしてはイマイチ。1巻終盤でヤク中のマウントを蹴り返す所など、動きが描けておらずわかりづらい。
涼宮ハルヒの憂鬱(1)/みずの まこと/谷川 流/いとう のいぢ
D
原作未読、アニメ版鑑賞中。
1巻打ち切りも納得の内容(原作がヒットしたためもっと合う絵柄のツガノガクに交代したという噂もあるが、それがなくて続いたとしても読者受けしたかは疑問)。
まず絵がへたくそ。同人並み、あるいはそれ以下の公式コミックとしては異常なレベルの低さ。キャラクターの可愛らしさを楽しむのであろうこの手のマンガで、絵が汚いというのは致命的。
おまけに話も終始駆け足気味で盛り上がらない。原作があるからストーリーがどうこうと言う以前に演出不足(テンポが良いととれなくもないが)。
退屈ではないが、おもしろかったと言えないでき。
C
事実に反しない言い回し≠伏線、だと思う。
これだけ捻れた世界を書き切り、小説として完成度高く成立させただけでも作者の力量が窺える。
しかしながら、最初に書いた理由によりオチの衝撃は小さい。上手に避けているなぁと感じさせる場面は山ほどあるのだが、真相が明かされた瞬間“だからああだったのか”と思わせる場面はほとんどない。
また“主人公の物語作りへの徹底”も描かれたため、結果として読者が気づくのはほぼ不可能なあざとさが弊害として出てしまった。
しかし…これ売り上げランキングで上位に入ってたけど、人を選びそうな内容の本で有名になっちゃうと後で苦戦しそうでやや心配な作家である。
ネタバレぎりぎりの余談だけど、読んでいて『幻想主義』という本を思い出した。あのヒロインを重症にしたのが、この本の主人公なのかな。
C
『花緋文字』…どんでん返しが良かった。
『夕萩心中』…少々長いが、こちらも良作。
『菊の鹿』…動機が独特だが、ある程度の説得力はきちんと持たせている。
『陽だまり課事件簿』…人間模様中心で謎解きがイマイチに感じるがおもしろかった。課長の家庭にも救いを…
文章が巧いのはあいかわらず。また、同シリーズの話が入っているため『戻り川心中』(どちらか片方だけ読んでも支障なし)と同じように叙情的な表現が苦手な人がいるかもしれない。
2009年
4月1日
ブログタイトル:ギャルゲー応援団
説明文:最近エロゲに押され気味。負けるな僕らの非18禁美少女ゲーム
『EVER17 レビュー』
2010年
4月1日
ブログタイトル:学怖ファン
説明文:ついでブログエイプリルフールバージョン
『学校であった怖い話S レビュー』
『創作:学校で聞いた怖い話』
『読み物:レトロゲーム板であった怖い話』
7月10日
説明文:アマガミアニメ化記念
『アマガミ レビュー』
『アマガミ考察1 橘純一は疫病神なのか?』
『アマガミ考察2 絢辻詞の献身』
2011年
4月1日
説明文:4月1日はADV特集の日
『街~運命の交差点~特別篇 レビュー』
『428 封鎖された渋谷 レビュー』
4月20日
説明文:シュタインズゲートアニメ化記念
『Steins;Gate レビュー』
2013年
4月1日
説明文:昼過ぎに更新するエイプリルフール企画
『メモリーズオフ ゆびきりの記憶 レビュー』
4月19日
『有料DLCが嫌われる4つの理由』
C
『ヨギ ガンジーの妖術』に次ぐ、ヨギ ガンジーシリーズ第2弾。1作目を飛ばしても支障はないと思われる。
こんなことできるんだなぁ、と仕掛けについては素直に感心した。発想よりもこれを実行できる技術がすごい。
ただ、小説としておもしろいかは微妙。
ストーリーはあいかわらず“退屈ではない”程度だし、トリックも引っかかりはするがパッとしない。ガンジーもいくぶんかまともになっている(その方が読みやすく、また変人キャラもさほど魅力的とは言えず)。
前述した仕掛けもばらされて驚く類のものではなく、物語におもしろ味を加えるものではない。
稀に見る傑作。
A
おもしろい。
B
まあまあ。
C
標準ランク。人によってはB。
D
微妙。
E
読むのが苦痛なレベル。
F
つまらないを越えた何か。
×
エックスではなくバツ。よほどアレでない限り使わない。