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シゴフミ〈4〉Stories of Last Letter (電撃文庫) シゴフミ4 Stories of Last Letter/雨宮 諒/ポコ/湯澤 友楼

C

 

 『僕の名前を呼んでおくれよ』はまさかシゴフミでこんな話が、という異色作。

 『Brother and Sister』はいつものペースを見せつつも、終局への布石を打ってくれた。

 そして『終わりの始まり』『始まりの終わり』。前者は単体でも良作で、シゴフミの登場シーンには嘆息させられた。後者もグランドフィナーレとまでは盛り上がらなかったが、これまでの積み上げを生かす良いラストだった。少し時系列がややこしくなったが、既刊を見返せばすぐわかる程度。

ただ、“もう一人の文伽への手紙”(P90)がノータッチなのは残念。アニメで拾うのだろうが。

あと、今まで気になっていた原案者の存在もやっと解決。 

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Fake (幻冬舎文庫)Fake/五十嵐 貴久

C

 

 

 久々に気持ち良く騙してくれた。

 イカサマポーカーのスリルも良く書けており、ページをめくる手が止まらない。

ただ、この手の話は“策は失敗するも、主人公側が奥の手で勝つ”と決まっているようなものなので、『Sting2』最後の場面は余計だった。どうせ失敗だろ、という思いを強めてしまう。

また、さすがに入試編はもう少し短くても良かったのではないか。

あと、解説(香山 二三朗)内で著者が『賭博破戒録カイジ』パチンコ編を「傑作ミステリー」と評しているが…悪い冗談としか思えない。

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シゴフミ―Stories of Last Letter〈3〉 (電撃文庫)シゴフミ3 Stories of Last Letter/雨宮 諒/ポコ/湯澤 友楼

C

 

 『嘘とオーロラ』がシリーズでもトップランクのできばえ。嘘という題材とシゴフミというツールを上手にマッチさせていたと思う。

 ただ、P71・72の『世界の中心で愛を叫ぶ』批判は少々見苦しかった。

 『輝けるもの』はページ数相応の読み応えになってはいたが、おもしろさとしては他とそう変わらず。

『Rainy day』はいつかくるだろうと思っていた悪意あるシゴフミの話。「奇跡を乱発することが、神の為すことか?」というフレーズが印象的。沙音の物語もぜひ読みたいが、次が最終巻なのを考えると望み薄か。

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アルシャードガイア リプレイ 明日へのプロファイル (ファミ通文庫)明日へのプロファイル/矢野 俊策

C

 

 

 TRPG『アルシャード ガイア』リプレイ。

 『覚悟の扉』でも書いたが、やはりこの人のリプレイは読みやすい。

 ルールブックと同時発売という事もあり、今回は特に気を使って執筆されたと思われる。 ゲームに初心者を交え、様々な説明を途中に織り交ぜたのもその一環だろう。

ただ、それゆえに特技の説明がページ端以外にも載ってしまう弊害も。

ストーリー自体は少々物足りない。主人公が戦いにおいての覚悟を決めるという、続き物のプロローグのような内容。

あと、2話目のミドルフェイズ07冒頭に「自身の傷を~」とあるが、ケガしてる描写なんかあったか?

ちなみにタイトルは“明日”と書いて“みらい”と読む。

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夜は千の鈴を鳴らす (光文社文庫)夜は千の鈴を鳴らす/島田 荘司

C

 

 

 良くも悪くも凡作。

つまらなくはないストーリーにそれなりのトリック。

 やはりなにか一つ“ここ”といえるような売りが欲しかった。

 欠点も、文章にぜい肉が多く削っても良さそうな表現が目に付く程度。とはいえ、『占星術殺人事件』のような読みづらさは感じなかった。

 あと、喫茶店のテレビで流れた東京オリンピックはさすがに卑怯じゃないか…? あれは気づきようがないと思う。

ちなみにシリーズ物の8作目のようだが、これ単体で読んでも問題なし。

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世界の終わり、あるいは始まり (角川文庫)世界の終わり、あるいは始まり/歌野 晶午

D

 

 

 菜穂誘拐の辺りまではBランクもかくやと思ったが…。

 中盤以降を受け入れるかどうかで評価はわかれるだろう。私はと言えば、内容的にはまぁ楽しめたものの、やはり脱力感・徒労感はぬぐえない。

 また、同じ事を何度もくり返すため、さすがにくどさを感じた。もう少し短くしても良かったのでは?

これだけ引っ張りに引っ張ってあのラストというのも×。

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竹書房恐怖文庫 東京伝説 閉ざされた街の怖い話 (竹書房文庫)東京伝説 閉ざされた街の怖い話/平山 夢明

C

 

 

 カバーの雰囲気に反して霊的な話は0。

真偽は怪しいものの、ショートショートとして見ればそれなりに楽しめる。

 『屋台』は屋台と言う存在の安全性が誰にも保障されてはいないという事に気づかされた。

 逆にあまりにも稚拙すぎたのが『メールしながら、音楽を聴いてⅡ』。とてもプロの文章とは思えない。

その他、所々首を傾げるできの話が散見され、たった223ページで税抜き600円はけっこう割高。

あと、「こんばんわ」(P11)っていくら誤字でも酷すぎるだろう。

つまらなくはなかったが、他作を読みたいと思わせる魅力もない。

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弁護側の証人 (ミステリ名作館)弁護側の証人/小泉 喜美子 <単行本>

D

 しょぼ…。あまりのカタルシスのなさに、最初オチではなく私が読み違えていただけなのではないかと思ってしまった。

 トリック自体を成立させたのはすごいと思うが、使い方が微妙すぎ。

 小説としてもネタの代償として(?)読者を煙に巻くような書き口に終始し、内容は安っぽい相続問題。

同時収録の『深い水』の方がまだ“マシ”。

なお、現在は集英社文庫にて復刊されているが、私が読んだ物同様『深い水』が収録されているかは不明。 

弁護側の証人 (集英社文庫)

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ホッグ連続殺人 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ホッグ連続殺人/ウィリアム・L・デアンドリア(真崎 義博)

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 謎はなかなかに魅力的だったが、解答に意外性が足りない。

 事件の特徴を整理すれば、多くの人がこの可能性に思い至るのではないだろうか。推理物で誰もがするであろう“なんとなくこう思う”程度の簡単な予測ではあったが、それが当たっただけでも衝撃は非常に弱まってしまう。

 上記した謎と、個性的な人物(P266の教授が花を贈る場面は笑った)で結構引き込まれていただけに残念。

 視点がいったりきたりで序盤がややこしいのも難。

 ちなみに、シリーズ物の2作目のようだが、これだけ読んでも問題なし。

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翼ある闇―メルカトル鮎最後の事件 (講談社文庫)翼ある闇/麻耶 雄嵩

D

 

 

 『魍魎の』に近い疲労感を残す作品。

 人物や舞台等こりにこっており、人を選ぶ事請け合い。

そのわりには謎と解答におもしろみがなく、ラストの怒涛の展開も楽しめなかった。前述した疲労感や途中の退屈さから物語に引き込まれなかった事もあると思う。

これだけの要素を結合させ無駄なく使った完成度の高い作品だろうし、小説として含む所もたぶんにあるのだとは思うが、娯楽として見るとこのランク。

あと、最後に入っている野崎六助の長文が苦痛。

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検察側の証人 (ハヤカワ文庫―クリスティー文庫)検察側の証人/アガサ・クリスティー(加藤 恭平)

C

 

 

 戯曲版を読了。

映画版である『情婦』を先に観たため知っていたオチだが、映画の時は前評判の良さに期待しすぎたせいかイマイチに感じたものの、改めて見るとそう悪くもない。

 地の文がほとんどないこの形式も、言葉の応酬である裁判にマッチしていると思われる。

 ただ、古い作品で、しかもイギリスが舞台なため情景がかなり想像しづらいのではないか。裁判のときにカツラをつけるなんて現代日本人には想像もつかないだろう。

サクッと読めて、しっかりひっくり返してくれる『クール・キャンデー』のような作品。私はあちらの方が好みだが。

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陽気なギャングの日常と襲撃 (祥伝社文庫) 陽気なギャングの日常と襲撃/伊坂 幸太郎

C

 

 

 『陽気なギャングが地球を回す』の続編。前作とのつながりはお遊び程度。こちらだけ読んでも問題はないが、一部「?」となる部分があるかもしれない。

 前作ではセリフに散りばめられたジョークが売りだったが、今作では身体を張ったギャグが中心になっており、作品全体から緊張感がなくなっている。

また、意外な展開が多かった前作に比べると、読者を引っ張る力も弱い。

余談だが、以前ネットで“「いつも田中の情報や道具に頼っていると、またか、と思われる」(P317)って映画版『陽気なギャングが地球を回す』への皮肉では?”という意見を見たが、確かにそう読める。

響野が2度も言う「誰に」が妙に意味深。存在しない誰かへの語りかけって、たいてい読者に向けられている気がする。

 まぁ、映画版は田中に頼りすぎどうこう以前の問題だったが。近年の原作物邦画の欠点を全部詰め込んだようなできだった。

 

 

 

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湖底のまつり (創元推理文庫)湖底のまつり/泡坂 妻夫

C

 

 

 解決編まで読者に伏せられている事実が多すぎた。

 アンフェアとは言わないが、そのために衝撃度が薄まっている。

この手の話は、十分な情報が伏線として出されていたにもかかわらず、そこにまったく気づけない部分におもしろみがあると思うのだが…。

 言われるまで騙されていただけに残念。

また、『乱れからくり』でも触れた文章(人物)についてはまったく違和感なし。失礼ながら泡坂さんも普通の小説が書けるのかと驚かされた。

ところで、館崎には頬をふくらませるクセがあるようだが、TVドラマ『踊る大走査線』の室井さんを想像すればいいのだろうか?

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カタブツ (講談社文庫)カタブツ/沢村 凛

C

 

 

 ミステリーとして読むとかなり辛い作品。

 『無言電話の向こう側』のオチなんてくだらないの一言に尽きる。

他にも謎の提示すらなされない作品があり、なぜあらすじで「ミステリー集」と書かれているのかが不思議なほど。

 しかし、読み物としては十分水準をクリアしている。

 『とっさの場合』は出来合いの感動が溢れる昨今に、愛情の新しい形を示した心温まる良作。

あと、ランクには無関係だが、解説が×。

タイトルの意味はこれで初めて気づいたが(私は読む前にあらすじを見ないので)、他の部分が素人の感想レベル。

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クドリャフカの順番 (角川文庫)クドリャフカの順番/米澤 穂信

C

 

 

愚者のエンドロール』に次ぐ、古典部シリーズ第三弾。 

多視点形式で次々と描かれる文化祭の光景にまるでお祭り騒ぎを見物しているような楽しさを味わえる。

 とにかく読んでいて楽しいが、それは証拠を集め仮説を立てていくミステリーよりキャラクター物を取った結果。

推理物としてみると前作より明らかにネタが弱い。

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転・送・密・室―神麻嗣子の超能力事件簿 (講談社文庫)転・送・密・室/西澤 保彦

C

 

 

夢幻巡礼』に次ぐ、神麻シリーズ(あるいはチョーモンインシリーズか)第五弾。

 『現場有在証明』…ミスリードが下手。ちょっと考えれば読める。

『転・送・密・室』…作者お得意のドロドロ動機。ちょっと無理がある気もするが。

 『幻視路』…まぁ、この中ではベストか。珍しくいい話。

 『神余響子的憂鬱』…神余のキャラがナイス。チーフとの掛け合いも良かった。

『<擬態>密室』…上の話にも言えるが、新キャラの登場が全て。他はおまけ程度。

『神麻嗣子的日常』…このシリーズで初めて次巻が読みたいと思ったかもしれない。

神麻へのツッコミ役である神余と謎の人物リキの登場でやっとおもしろくなってきた。…推理物としてではないのが残念だが。

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乱歩賞作家赤の謎 (講談社文庫)乱歩賞作家 赤の謎/アンソロジー

C

 

 

 長坂 秀佳、真保 裕一、川田 弥一郎、新野 剛志、高野 和明による短編集。

『「密室」作ります』…ネタは悪くないけど、無駄に長い。

『黒部の羆』…『ホワイトアウト』のイメージがあったため完全に油断していた。

 『ライフ・サポート』…何がしたかった? 小説としてもミステリーとしても物足りない。

『家路』…上に同じ。だが、さらに出来は悪い。

『二つの銃口』…謎解きはほぼないが、本書の中では一番引き込まれた。

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魔王 (講談社文庫)魔王/伊坂 幸太郎

D

 

 

 いつも通りの軽快な文章とその場その場の展開で読んでいる途中は感じないが、終わってみるとストーリーの大きな流れがほとんどない。

 『魔王』は主人公が世間の流れに不安を感じつつ自分の能力に気づいていくだけだし、『呼吸』も能力に気づく以外はただ日常が描かれているだけ。

世間の流れが凄まじくても個人レベルでの影響は少ないという意味かもしれないが、エンタメとしては×。

山場もなくオチもないとはこの事か。

読むのが苦痛ではないが、物足りない。

あと、『魔王』に『死神の精度』の千葉が出ている。

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デジタルな神様 (幻冬舎文庫)デジタルな神様/渡辺 浩弐

C

 

 

 なぜかタイトルにもあらすじにも書かれていないが、『マザー・ハッカー』に次ぐ1999年のゲーム・キッズシリーズ第三弾。

『国境』はポポン国民の集団自殺オチかと思ったのだが…。やや、ありがちな終わり方で残念。

あと、あらすじの文だが、『国境』のどこがオウム事件を予見しているのかわからない。

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生者と死者生者と死者 酩探偵ヨギ ガンジーの透視術/泡坂 妻夫

B

 

ヨギ ガンジーシリーズ第三弾。本書だけ読んでも特に問題はないと思われる。

今回はちょっと特殊な本なので軽く紹介を。

本書はいくつかの袋とじから成っており、まずその表に書かれた文だけを読む事で短編小説となる。次に、今度は袋とじを破り全てのページを読む事で長編小説となるのだ。現在では新品入手が不可能なので、P16・17、32・33、48・49、64・65,80・81,96・97、112・113,128・129,144・145、160・161,176・177、192・193,208と読めば短編を再生できる。

では、レビューを。

短編が“消えて”、長編へと解け込む様はまさに手品を見せられているよう。ただの仕掛けではなく、同じ文章がまったく別の場面になるという他では得られないおもしろさを創り上げた。

ただ、繋ぎにやや違和感があったり短編のできがかなり微妙だったりと完璧に決まったわけではない。

また、前作に当たる『しあわせの書』でも書いた事だが、読み物としてイマイチで“本の形をしたおもちゃ”状態なのも難。

とは言え、今回は楽しみ所が全体に分散しているので読んでいてダルさは感じない。

 あと、短編の方に『11枚のトランプ』からマジキクラブメンバーのゲスト出演あり。

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