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死んでも治らない (光文社文庫)死んでも治らない/若竹 七海

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これは微妙。
ラストのオチは話をややこしくしただけにしか感じず、短編としての各話も推理物として凝っているようでもなくコージーハードボイルドとしてもあまりおもしろいとは感じなかった。過去の話を現在の話が交互に描かれ、それらがリンクする形で話が進んでいくが、その手法が効果的だったのも表題作だけなように思える。
ベストは途中の展開もラストのどんでん返しも良かった『泥棒の逆恨み』ワーストは『猿には向かない職業』。

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あるキング (徳間文庫)あるキング/伊坂 幸太郎

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マクベス未読。
退屈こそしなかったものの、読み終えた時に“おもしろかった”とはとても言えない内容。主人公が黙々と野球に打ち込み人生を消化していく様には他の作品のような痛快さはもちろん、悲劇や伝記小説としてのおもしろみもない。読者の大半がどこを楽しめばいいのかわからないままに本書を読み終えるだろう。
絡んできた不良となぜか野球をする辺りは作者らしくて良かったのだが。

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プラスティック (講談社文庫)プラスティック/井上 夢人

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主婦の平凡な日記に現れる謎が興味深く、口述筆記という読みやすい形式もあってページをめくる手はなかなかに早かった。
謎への解答は早めに読めてしまったのだが、そこはプロ作家。しっかり隠し球を用意してくれていた。
だが、ホラーとしては怖さが足りずミステリーとしては謎解きもなくでやや半端な印象。全体を通して平均的に楽しめるものの、山場に欠ける作品。
ただ、フロッピーがドアポストに入っていた理由は少し無理があるような…。

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冷たい校舎の時は止まる(上) (講談社文庫) 冷たい校舎の時は止まる(上・下)/辻村 深月

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読者への挑戦状は論理的に推理できる解答とは思えず、どんでん返しは驚かせてくれるもののファンタジーであることをフルに利用したミスリードにがっかりさせられる。終盤の展開は期待はずれの感が強い。
また、キャラが立っているためリーダビリティーは高いものの、数百ページに渡って登場人物の過去回想が続くのは冗長と言わざるを得ない。

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探偵Xからの挑戦状!  3 (小学館文庫)探偵Xからの挑戦状!3/貫井 徳郎/北村 薫/米澤 穂信/島田 荘司

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『殺人は難しい』は後味が悪いのが人を選びそうだが、コンパクトながらも良作。
『怪盗からの挑戦状』は論理的に推理が進められ、ひっかけもいい味を出している。
当たりはこの2作か。
『ビスケット』は完全に専門知識でこんなものわかるわけがない(それでも巻末を見ると正解者がいるのは驚き)。
『ゴーグル男の怪』は隠したいのにサングラスではなくゴーグルを選ぶ意味がわからない。須藤があんなわかりづらいメッセージを伝える意味もわからない。フィクションで多少の粗は仕方ないがこれは推理に支障をきたすのでは。

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碑銘 (角川文庫) 碑銘/北方 謙三

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これはシリーズ1作目から読むべきだった。ハードボイルドにしては主人公がガキ臭いと思っていたら、本質的な主役は川中と藤木だったよう。結局ラストまで主人公をかっこいいと感じることはなかった。
ストーリーは友情物+裏社会の抗争で利害関係もわかりやすいが、主人公が蚊帳の外に置かれている感がある。
文章は主語を頻繁に略すことでテンポを極限まで高めている反面、意味がわかりづらい場面も。

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ドルリイ・レーン最後の事件 (ハヤカワ・ミステリ文庫)ドルリイ・レーン最後の事件/エラリイ・クイーン(宇野 利泰)

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謎解きはおもしろいものの物語はいまひとつというのが私の悲劇シリーズに対する一貫した評価だが、本作はシリーズ中もっとも謎解きでない部分の比率が大きい。
推理ではなく調査によって解決する謎もあり、長きに渡って退屈を味わうことになる。
また、シリーズ通しての見せ場であるラストシーンだが、それまでに怪しい雰囲気を出しているのもあり最初のヒントで読める。そのためこちらはわかっているのにグダグダと大仰なやりとりにつきあわされる。

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野獣死すべし (角川文庫 緑 362-24)野獣死すべし/大藪 春彦

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主人公の冷酷非道がぞんぶんに表現されており、その描写の徹底は読み手が引くほど強烈。
しかし、悪人が勝つばかりの物語に不快感はなく、一種の爽快さすら感じさせる。直接的な描写によるスピード感とそれが単調にならない文章力、そしてダークヒーローの趣を持った主人公の魅力によるものだろう。
ただ、表題作と復習編の2話とも楽しみどころがほぼ同じなのでやや飽きやすいか。
あと、銃に関する固有名詞が多いので人によっては理解しづらい。

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Zの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫)Zの悲劇/エラリイ・クイーン(宇野 利泰)

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ペイシェンス登場は完全に失敗。
知識をひけらかし他人を値踏みする彼女は鼻につく探偵のお手本のような存在で、おまけに一人称になった本書の視点人物なのでレーンの引用癖が地の文にまで入り込んだようにうっとうしい。
また、事件を解決するのは結局レーンで、物語として彼女を出す意味がわからなかった(新保博久の解説で1つの説が示されてはいるが)。

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夢のカルテ (角川文庫)夢のカルテ/高野 和明/阪上 仁志

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私が高野さんの作品の好きなところは必ず予想外な展開を見せてくれる巧みな話運びと取材量をうかがわせる濃厚な社会的要素にあるが、本作はそのどちらを楽しむにも至らなかった。
ストーリーは平凡で予定調和の感が否めず、カウンセラーの仕事についても主人公の能力のせいで十分に描かれているとは言いがたい。
売りの両方をなくした本作にこれまでの熱中性や満足感は当然なく、ファンの視点から離れても凡作と言わざるを得ない。
ミステリーとしてもラブストーリーとしても中途半端。

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Yの悲劇 (ハヤカワ・ミステリ文庫) Yの悲劇/エラリイ・クイーン(宇野 利泰)

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真犯人に衝撃のポイントを置いているようだが、残念ながら現代ではさして珍しい犯人とは言えない。私が犯人を知っている状態で読んだのを差し引いてもあまり意外には思えなかった。
また、犯人の身体的特徴を割り出す部分がしつこく、推理部分も前作(『Xの悲劇』)より見劣りする。
小説としても2作目となるとレーンに関する描写にぜい肉の感が否めず。

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ぼくのミステリな日常 (創元推理文庫)ぼくのミステリな日常/若竹 七海

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これがあるからミステリーはやめられない。
そんなもの知るかよと言いたくなるような知識を基にした推理の連続に辟易していたら最後の最後でやってくれた。それ自体のおもしろさは飛び抜けているわけではなく、試み自体も新しくはないのだが、思いがけない不意打ちは実に楽しませてくれた。
が、終盤の展開についても上記したような欠点は健在で、またオチがついたからといって短編自体がおもしろくなるわけでもない。
気合十分な力作ながらも完成度的には荒削りで良くも悪くもデビュー作らしい一冊。

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ハッピーエンドにさよならを (角川文庫) ハッピーエンドにさよならを/歌野 晶午

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明かされた真相が更なる悲惨につながる『おねえちゃん』『サクラチル』は良かったが、他は今一歩。
ぼくらの』や『銭ゲバ』のように素人の想像を超えた内容がアンハッピー物の魅力だと思う。そういった意味でこの作品はまだまだといったところ。転落が平凡である。
『天国の兄に一筆啓上』などもはやただのミステリーと違いが出せていない。また、タイトルへの期待を無視して単なるミステリー短編集と読んでもものたりない。

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モダンタイムス(上) (講談社文庫)モダンタイムス(上・下)/伊坂 幸太郎

C




やたらと高いリーダビリティだけは評価するが、おもしろいかどうかは微妙。
文章はおもしろおかしく書こうとして滑っている素人日記のようで、ストーリーも前置きの部分がグダグダと続く。中盤以降はそれなりにおもしろく、作者が伝えようとしたテーマも興味深くはあるが前座が残念だった。
週刊連載という形式だったためか章の終わりと次の章の始めで内容が被り気味なのもうっとうしかった。
おもしろくはないけど、ページを繰る手は早い不思議な一冊。

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Xの悲劇 ハヤカワ・ミステリ文庫Xの悲劇/エラリイ・クイーン(宇野 利泰)

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ロジックの連続から真相を導き出す様はドミノ倒しのような鮮やかさ。明らかになっていく解答自体はたいしたことないのだが、推理という行為自体を楽しませてくれる。
しかし、そこまでの過程は長く退屈。推理の手がかりを隠すためにここまで長くなっているのかと思うと作品の弊害と言えるかもしれないが。ドルリィ・レーンはそれなりに魅力的だが、小説1冊それだけで持たせられるものではない。
あと、解説(新保 博久)はよく書けていた。

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倒錯のロンド (講談社文庫)倒錯のロンド/折原 一

C




叙述物であるとわかっていても見破らせないのはさすが。
しかし、その予想外というのは読者の想像を超えているのではなく短に事件を込み入らせているだけでカタルシスは弱め。
また本作はご都合主義の感が強く、精神病だからで大部分の不都合を処理したのはいただけなかった。
サスペンス性のある途中経過はおもしろかっただけに残念。
あと解説(結城 信孝)、叙述トリックがあると書いてネタバレにならないのは折原さんだけだ。

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国語入試問題必勝法 (講談社文庫)国語入試問題必勝法/清水 義範

C




題名を見た時のファーストインパクトを超えるようなものは本文にはない。
実験小説 ぬ』のような遊び心を期待していたのだが、でたらめな猿蟹合戦考察に架空の料理のレシピにとちょっと変わった短編集といったところ。
表題作の国語問題というのは既に日本語ですらないとでも言いたげな内容は良かったが、これなら『ブロンガンチョのルノワール風マルケロ酒煮』と同じように解説形式にした方が参考書のようで味があった気がする。ラストの手紙は読者からのお便りということにして。

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黒い家 (角川ホラー文庫)黒い家/貴志 祐介

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終盤の敵との対決が怖くないというのはホラー映画などによくあることだが、本作もその法則から逃れるには至らず主人公の自宅襲撃あたりから恐怖心が急速にしぼんでしまう。主人公が追いつめられていく描写に夢が何度も出てくるのもワンパターンに感じた。
菰田重徳が入院する辺りは鳥肌物なのだが、その部分で急上昇するだけで作品全体として怖いとはあまり感じなかった。
ラストの男が菰田より荒木(パジャマ男)や角藤(三善のかませ犬)に近い存在に見えるのも×。

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学校を出よう!〈2〉I‐My‐Me (電撃文庫)学校を出よう!2 I-My-Me/谷川 流/蒼魚 真青

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神の視点になったことで情景描写と心理描写と笑えないジョークがごった煮になった前作のような読みづらさはない。
SFとミステリーの融合した題材も良く、真相も難解になりすぎず適度な驚きをもったライトノベルにちょうど良いもの。
ただ、前作とのリンクのさせ方がかなり見苦しく、そこまでしたわりに必要な描写にも見えない。
あとミーが引きこもってしまうくだりは完全にいらなかったと思う。

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プラトニックチェーン〈01〉プラトニックチェーン01/渡辺 浩弐 <単行本>

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ゲーム・キッズシリーズと違い元ネタに縛られなくなったため創作の幅が広がっている(元々かなりのアレンジを加えて作品にしていたため、そう変わらないという見方もあるだろうが)。
また同じ人物が何度も出てくることで感情移入もしやすくなり、『彼氏ラインナップ』と『彼女の記憶力』のような併せ技も楽しめる。
ただ、この作者はよほど気に入っているのかもしれないが、毎度のフォントをいじったページはいらない。ましてや今回は作中のセリフの羅列である。

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微妙。

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